ガンツ

で、こんなふうに
揃えばいいんだな?

ガンツの手の内で広げられたカードは

揃っていた。

スダルギア

そうだ。
それで10万ガロン
稼いだ事になる。

ガンツ

すげ。
楽勝じゃねーか、
このゲーム。

スダルギア

簡単なルールだろ?
あとは揃った役によって
配当が変わる。
それだけだ。

スダルギアが申し込んできた賭け事は

多数のカードを使用したゲームで、

カジノでも一般的に

知られているものだった。



ガンツは様子見で

10万ガロン賭けて、

今、倍になったところだ。

ギュダ

…………

ギュダもガンツと同じで

このゲームは初めてだった。

スダルギアの説明を聞き終わり、

じっと何かを考えている。

兵士

よっし!
五倍だ!!

20人近いレジーナ軍の兵士が

己の進退を賭け、

ゲームを始めている。

声を出して喜ぶ者がいれば、

3万ガロン全てなくなってしまう者もいた。

スダルギア

ククク、
そこの三人はアウトだ。
全部終わるまで待ってな。

無表情のスダルギアは

持ち分がなくなった兵士に対して

色のない声でそう伝える。



そしてゲームは何度も行われ、

高額配当が出た。

ガンツ

やるじぇねーか。
テオフィルス。
それにグーリンも。

スダルギア

ククク、
なかなかのお手前で……

ガンツ

ラビ、
シーカーも凄いぞ。

ガンツに名前を呼ばれた兵士の手元には

大量の銀貨が積まれている。

手持ちの3万ガロンを

何倍にも増やしたようだ。

一際大きな歓声が上がった。

全ての視線がその一人の兵士に集まる。

ギュダ

ドサーユ、よくやった。

尋常ではない役を揃えた

ドサーユと呼ばれた兵士。

銀貨では量が多すぎるので、

金貨を両手いっぱいに受け取った。

ギュダ

そろそろ私も
賭けさせてもらおうか。
30万全部だ。

スダルギア

ほーぅ。
見た目に寄らず
大胆な賭け方をするな将軍。
本当にいいのか?

ギュダ

構わん。

ギュダ

…………

スダルギア

どうだ、将軍?

ギュダ

これは三倍の役だったか?

スダルギア

冷静だな。
狂喜乱舞していい額だぜ。
何か勝機でもあったのか?

ギュダ

あの兵の強運に
あやかっただけだ。

スダルギア

ククク、
カウンティング……
このゲームは今迄出たカードを
覚えていれば断然有利になる。
将軍、それに気付いて
実行しただろ?

ガンツ

いや、あんな枚数、
覚えられるわけねぇだろ。

ギュダ

そのとおりだ。
思い付きもしなかった。

スダルギア

ククク……。
配りなおす直前の一番確率の有利な
タイミングだったんでな。
まぁどちらでもいい。
続きを賭けな!
もちろんカードは最初から
組み直すがな。

ギュダ

少々間を置かせてもらおうか。

スダルギア

やはりな。
だが姫の代わりに
賭けると言っておいて
これだけで逃げ出すのか?
度胸見せてくれよ?

どうやら本当にギュダは

カウンティングをしていたらしく、

それをさせまいとする

スダルギアの分かり易い挑発を

受け流すのに困っている。

兵士

私が将軍の代わりに賭けます。

助け船を出したのは

先程、高額配当を出したラビだった。

しかも増やした全額50万を

差し出している。

スダルギア

いいぞ。
楽しくなってきた。
勝負だ。

ギュダ

ラビ……
いけるか……

レジーナ

肝っ玉の据わった奴だ。
ギュダよ、信じろ。

ギュダ

しかしもうこれは
ただの運でしかありません。

レジーナ

我々の兵士は強い。
運も引き寄せる。

兵士

じゅ、

兵士

10倍!!

教会の空気が沸騰したかのような熱。

静かなチナ村の教会は、

大勝負での高額配当に沸き立った。

その中心にいたラビは、

500万もの金貨の眩しさに

今迄感じた事のない高揚を覚えていた。

ギャンブル結果

ルーチェ     30,000

ズーノ・Y    40,000

アスカトゥー   50,000

ベッチー     60,000

シルヴァリア   60,000

ルリ       60,000

テオフィルス  250,000

グーリン    600,000

ズィルバー   700,000

ドサーユ   1,500,000

ラビ     5,000,000








ペルペーン



リッジ



ブルチズ



上記三名、

持ち金0につき

勝負が決着次第

処遇が決定。

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