突然現れた胡散臭い男、アルモニーは、淹れてもらった茶を飲み、ヴォルツヴァイに言った。
で、君が僕をグリムの所に連れてってくれるのかい?
突然現れた胡散臭い男、アルモニーは、淹れてもらった茶を飲み、ヴォルツヴァイに言った。
お、おう。
高そうなクッキーを一口でほおばり答える。
ん……? お前、そのグリムってやつの居場所しらねぇのか?
え、君は知らないのかい?
しらねぇのかよ!
そっちこそ。
所在もわからない者を探すなど、砂の中から針を探すようなものではないか。
だー、どうしたらいいんだ?
おい、お前。魔法使いだとか言ってたな。占いで探せねぇか?
無理を言わないでくれ。僕はできるのは物語上必要な魔法と、ちょっとしたおまじないだよ。
君こそ、においとかわからないの?
無茶言うな! 知らないにおいを追うとかできるかよ!
あーだこーだと罵倒を交えつつグリムの居場所を探す方法を出し合う二人。モルタニスは我関せずと茶を楽しむ。
お困りかしら?
姫さんが何かできるのかぁ?
やれやれ、どういったことを思いついたのかな?
……これ、貸してやらんこともないわよ。
鏡? そんなもん、何の役に立つんだよ。
待って。これは……。
魔法の鏡。どんな質問にも答えてくれるよ。
どんな質問にも、ね。
意味深な笑顔で「どんな」を強調するモルタニス。ピンときたヴォルツヴァイが言った。
そうか! こいつにグリムの居場所を訊けばいいのか!
なるほど。じゃあ……
鏡よ鏡、グリム兄弟の居場所はどこだい?
検索中……
一件ヒットしました。
案内を開始しますか?
ああ! 旅支度はしたかい、送り狼君。
ばっちりだ!
いざ
グリムの所へ!