斎藤氏、動画は撮れてる?　ばっちり!?

問題なく。安心して逝ってください!!

その実験、ちょっとまったー!!

ちょっと、イナハ……!?
あら?　ゆーま……?
えっ……??

ナバちゃんが、ゆーまちゃんに
変身した!?　ナバちゃんあなた
……魔法少女だったの!?

なに……!　生ゆーまたそ……だと……!?

実在していたのか……。
こうしちゃおれん。録画録画……!!

ちょっとちょっと、斎藤氏!!　カメラこっち向けてよ!　それとそこの君、　　めちゃんこ可愛いけど、ここはコスプレ会場じゃないんよ!?　……いやしかし　可愛いな。斎藤氏、あとで僕にも動画　わけてね!!　あとで魔改造するから!!

まかいぞう……?

おまわりさんこっちです!　ここに
ロリコンと変態さんがいます!!

カズちゃん、見ちゃいけないよ!
あれは僕たちとは違う人種なんだ!
目を合わせちゃいけない、決して!!

女の子を見ると口説いたりせず、
ただひたすらカメラを回し保存する
ことに終始する……ふむ。
ふたりはかなりの上級者ですな。

俺は今人間じゃない、レンズだ。被写体を写すだけのただのレンズなのだ……!

えっと、レンセンパイ……?

……。

……。

……ちょっとちょっと、いい雰囲気の　ところ申し訳ないけど、君の登場から　ストーリーが滅茶苦茶だよ!

え、あなた誰?

僕はただのネズミだよ。でも本当は
さっきので蓮がコクって、君と稲葉とで
奇麗な恋の葛藤を描きたかったんだけど
……どうしてこうなった。

そんなこといわれても……。

……まあいいや。こういう昭和マンガのノリも嫌いじゃない。というか大好物さ僕も続けて描くから、君も頑張ってね。

はーい♪

あれ、今のは……夢?

……。

はっ!?　俺は何をやっている?
もし目の前に意中の女の子がいて、
やることといったら……。

決まっている、カメラを回すことだ……!

だめだコイツ。

なんか、ここはボクが頑張らなきゃ
いけない気がしてきた!　よし、ここは　わざと体当たりして、もつれ合った
ふたりが思わず目と目を合わせて……。

よし、これだ……!!

なんか違うけど、頑張れ!!

レンセンパイ、行きます!!

お?　おう、よしこい稲葉……!

え……?　今なんて……?
――わわっ!?

馬鹿、危ない!!

……ったく、なにやってんだお前。

あ、すみませんセンパイ。

しかしさっきの稲葉もそうだったが
女の子の体って、こんなに柔らかい
ものだったんだな……知らなかった

レンセンパイ、あの……。

ん?　どうした?

ボクの名前、「ゆーま」で
いいですから。それと……。

わかった。ゆーま……、だな。それと?

……。

――ゲッ、これはあれか……?
伝説のちゅーの催促というやつか!?
エロゲでしか見たことないぞ!?

ちゅー。

ごくり……。

ちらっ、まだかな……。

ちy……。

ちy……。

よし、イイゾ、そこでちゅーしろ
ちゅーだ、ちゅー!!

ウォッホン!!

ちょっ、てめーいいところで!!

わわっ!?

きゃっ!?

いいですか、ふたりとも。ここは
神聖な学び舎です。不純異性交遊など、もってのほか。外でやってください。

斎藤氏、抜け駆けするなら、せめて僕の見てないところでやってよ、そんな可愛い彼女がいたなんて、僕聞いてないよ!!

……まあ、わからんでもない。

ちゅー。