神様は暗闇の中に落ち続けた。


 居場所を失い、

何も無くなった空虚の中を


泣きながら落ち続けた。

失った物を諦めきれない。

そう言って零す涙は


いつしか虚ろの中に溜まり、

神様は涙の海に溺れた。


 泣きながら涙に溺れるうちに、

神様の中から段々と記憶が溶け出していった。

溶けた記憶は泡となり、

神様の口から零れ出ていった。

 最初に吐き出された泡は
黄色い花となって浮かんでいった。

黄色い花は海の表面で弾け、

小さな島になった。

次に吐き出された泡は

青い花となって海を漂った

青い花は海の中で根付き、

花が表面から浮かべた泡が

海の表面まで浮かんで弾け、

人となった

 青い花から生まれた人は、

黄色い花で埋め尽くされた小さな島で、

海を眺めていた

 神様はまだ溺れていた。

口から零れる泡が赤い花となり、

紫の花となり、


白い花となり、

浮かんでいった。

!!!

それらの花は

人間に様々な恵みを
      もたらす物に変わった。

ある日の事、

 
人間は海の底には
        何が有るのだろうと――

おぼれるかみさまからうまれた世界

作者:藤和様

しんわの続きは、りんごから
(カクヨムURL)

以下、藤和様の紹介文

鉱物が樹に生るこの世界では、

鉱物を食べて成長する人形が居た。

人形とその持ち主と、

       彼らの住む世界と、

世界を創ったかみさま。

そこは一体どんな世界なのか、
少し覗いてみませんか?

おぼれるかみさまからうまれた世界 作者:藤和

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