まあそれはそうと、目指すべき場所は決まったわけだけど。

となると、どの伝説をなぞるかだな。

なあ巨人たちが住むっていう国に行かないか?

だよな!やっぱ巨人討伐だよな!

巨人って聞くだけで強そうニャ・・・

強そうも何も普通に強いわよ、それに巨人討伐って言うけど、彼らは友好的な種族よ。

えっマジで?伝説だと暴れてたり、人を喰ったりしてたけど?

いつの時代の話よ・・・今は普通に観光地になってたりするわよ。

観光地・・・それ聞くだけで友好的だと分かるな・・・

じゃあ竜討伐はどうだ!?

竜討伐できるだけの力がアレば北の大地に行くくらい簡単よ・・・。

じゃあ当分はその辺でスライム狩ってます、はい

なあなあ、じゃあさ!秘宝探しに行くってのはどうだ?

おっ、それいいな!一攫千金!不労所得!

宝探しっていうけど、何を探すのニャ?

赤蛮の伝説に”エメラルドの泉”ってのがあるんだよ

エメラルドの泉

その名のごとく、エメラルド色に輝く泉であり
その泉を泳ぐ魚は、黄金の鱗に、ダイヤの骨、ルビーの目をしており
卵は真珠だと言われている。

赤蛮の伝説では、その泉の魚を一匹だけ捕まえて戻ったら、城を一つ建てれるくらいの財産になったって話だぜ。

アホくさ、そんな話本当にあるわけ無いでしょ

でも黄金のお魚さんちょっとだけ食べてみたいニャ

いや、食べたらダメだろ

だが、この伝説は本当だと言う話だぜ

その根拠は?

赤蛮の伝説でエメラルドの泉を見つけられたのは、西方大海を渡る時に嵐に巻き込まれて、無人島に流れ着いた先にエメラルドの泉があったからだ。

西方大海

赤の一味が居る港町を基準に考えた場合
西側にある大海原一体を西方大海と呼ぶ

西方大海を西へ進めば、別の大陸が存在する。
航路は荒れる場合もあるが、40日かければ大陸に渡ることができる。

西方大海にはまだ発見できてない無人島も数多くある。というか西方大海は海賊の隠れ家もあったり、海の神の神殿が海底にあったり、神秘と冒険が溢れている。

つまり、エメラルドの泉がある確率は高い!!

なんの説明にもなってないわね

だが海の神の海底神殿は実在するし、海賊達が居るのは事実だぜ?

それが事実だとしてもエメラルド泉が存在することの証明にはならないでしょ!

でも海賊が居るな、既にお魚さん盗られているんじゃないかニャ?

それよ、海賊達は強欲で金目の物ならなんでも奪うわ、もしエメラルドの泉が本当なら、あの海域に居る無数の海賊たちが既に占領しているはず。

まあ確かに、海賊がエメラルド泉を発見したなんて話聞かないからな・・・。

いや、海賊はエメラルドの泉を発見している。

アンタ本当に・・・どこからそんな自信が湧いてくるのよ?

まあ聞けって、海賊達はエメラルドの泉を発見したっていう根拠はアレだよ。

男が指差す先には、酒場に貼られている
お尋ね者の張り紙だった。

港町なだけに海賊の手配書はよく張り出されている。

よく見てみろよ
あの手配書の絵を

男が指した手配書には

とある海賊が描かれていた。
その海賊の首飾りは、ルビーのペンダントだった。

あのペンダントこそがその根拠だ

どうしてそれがエメラルドの泉に繋がるのよ

あのペンダント、赤蛮の伝説に出てくるエメラルドの泉の大魚、その目で作られた奴に酷似してるのさ

あー、言われてみれば・・・似てるな、私が見た絵本だともう少しデカかったけど

お魚さんのお目々があんなに大きなルビーだなんて凄いニャ!

あのねぇ、いくらアンタ達が子供の頃に見た絵本に酷似してるものが出ているからって、それが本物かどうかなんてわかんないでしょ?

それに海賊が身につけているからって、どこかの商船から奪ってきたものかもしれないじゃない?エメラルドの泉で捕まえた魚かなんて分かるわけ・・・

ッ!?

角子は手配書の海賊を見て動きが止まった。

角のおねーちゃんどうしたのニャ?

フハハハハ、気づいたようだな?

角子が見ていた海賊の手配書

それは・・・

西方大海を牛耳る海賊達の頂点

この海に生ける伝説、嵐の皇女

海賊女帝 
エイハブ・シルバー

この女を探すことが次の目的となるのだった。


続く。

第7話 運命に選ばれし者 ”エメラルドの泉”

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