その後、各自持ってきた弁当などで昼食を済ませてから、さっそくDirtybombのプレイ開始ということに。
せっかく6人そろってチームで戦えるようになったが、まだ歩夢が初心者ということもあって、だれか1人がアドバイスしながらプレイすることにした。
それに平日のお昼過ぎでASIAサーバーに少ないというのもあって、オブジェクティブモードを普通の部屋に入ってプレイすることになった。

じゃあほむほむのアドバイザー役誰が付く?

私はお断りですわ!!

まだ聞いてもいないのに、沙織が拒否する。
彼女が自分から言葉を発するのは珍しい。
一同、少し戸惑いを感じて歩夢の方をみる。

はは・・・ちょっと彼女とはいろいろあってね。

苦笑いしながら答える。

なんでいきなり嫌われてるんだよ?告白でもしたのか?

特に深い考えもなく琴絵がそう尋ねる。
少しの間の沈黙したが、振り返ってこたえる。

彼女が好きだって告白したからね。もちろん断られたけど、あきらめるつもりもない。

!!!


一同えっ!と言うような驚きの表情を見せるが、言葉は出なかった。

そうだよ・・お察しの通り僕はレズビアンだ。でもまあ・・あまり言いふらさないでほしいかな?

それは嘘だ。
だが高校生でLGBTのLとTの違いをわかっている子供なんてそうそういない。
沙織がレズビアンのフリをしていることはこの際好都合だ。
恋愛感情を持っているのは沙織に対してだけだと公言したほうが、この際はほかの生徒とも友達にはなれそうだ・・・そう考えた。

そう・・・来ましたか・・。

ぼそりと沙織がつぶやいた。だが吹っ切れたような顔でその嘘に信憑性を付加した。

そうですわ。私がレズビアンだからって君しかいないって・・・初対面なのに告白してくるんですから。断るに決まってるでしょ?!

まあ・・そうだよな。

ん~・・まあ、わかってはいたけどさ。どうせあきらめるつもりはないんだか最初に言っておこうと思ってさ。


それまで黙っていた友紀が不意に言葉を発する。

じゃあ・・・彼女目当てでこの部活に入ってきたのですか?


その表情は嫌悪・・を感じるものだった。
彼女を見たときにギクリとした。
おそらく彼女は沙織の過去を知っている。彼女なりに精一杯気遣っている。
その意図は・・・彼女に迂闊に近づくな~ということだろう。
あくまで勝手な推測ではあるが、それは理解できる。

焦りながらもこう答える。

・・・いや。女子だけの部活に入りたかったんだよ。前の部活じゃ男子生徒全員に告白されたからな。逃げ込むっていうのかな?

答えはこれでいいだろうか?嘘ではない。

それなら・・別にいいのですが。

一応は納得してくれたようだ。
確かに心に傷を負った彼女に迂闊に近づくべきではない。中身が男の”俺”ならばなおさらだ。

ん~・・・なんか重い雰囲気だなぁ。とりあえずほむほむには私が付くから!ある程度分かってきたらコトチンとカナリンが交代で実際の戦闘のアドバイスをできる範囲でするって感じでいいかな?

最初に言葉をかけた麻衣子が話を元に戻そうとそう声をかける。

そうだな・・・まあ交代しないとマイコがプレイできないしな。

一つ質問があるのですが?


そう声をかけたのは華菜里だった。

何?

その・・カナリンって私のことですか?いつも大尉ってよばれてるので・・。

そういえばそうだな。普通にスルーしてたけど。

いや・・普段外とかで大尉って呼ばれたら嫌じゃない?私の中では部活内での会話は大尉だけど、普段はカナリンって感じかな?

そんな使い分けしなくていいので、カナリンで統一してください。


少しむくれた顔をして抗議して見せる。

そんなこと言われてもなぁ・・じゃあ私のことだって好きに読んでいいよ?

解決になってません!


琴絵がそのやり取りを見て調子に乗って声をかける。

それじゃあ・・・私も一緒になってマイコをほかの名前で呼ぶか?そうだな・・分隊長とか衛生兵で。

・・・まあ別にいいけど?

ほう・・・?

にやにやとして琴絵がつぶやく。
麻衣子としては実のところゲーム中にコールサイン的なニックネームで呼ばれないことに少し不満を感じていたので、普段からそれで呼ばれるのもまあいいかな?とか思っていた。

ちなみにその後数日は琴絵は”分隊長”と麻衣子のことを呼んでいたが、普通に反応してたのでつまらないのかいつのもマイコという呼び方に戻ってしまったのだが。

あの・・・そろそろゲーム始めませんか?


そう歩夢が声をかけたところで、ハッとする一同だった。

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