部活で使うものは学校に運んであげるから、明日の朝にでも職員室に部室と私の車の鍵を取りに来てくれればいいだろうけど・・・。

そっか。やっぱユキちゃんの自宅用PCのパーツがあるもんね。


先生と麻衣子のやりとりに沙織が割って入る。

それじゃあみんなで手分けしてユキさんの荷物を家まで運んであげましょうよ!


この提案に嫌な予感がしたのは友紀だ。
まあ確かに一人で運ぶのは重いし、そうしてくれると助かるが、それを言い出したのが沙織というのが気になる。

おい。何企んでやがる。

おほほ~なんのことかしら?

そ。じゃあまた明日ね!


そういうと先生は車で帰宅。私達も友紀の家に荷物を持って移動することにした。

そして友紀の家に。
そこは学校の近くにあるゲームセンター。そう麻衣子達が初めて出会ったゲームセンターのすぐ近くにあった。
家自体は小さな木造の一軒家。築年数はかなり経っているようで、正直ちょっとボロいといったのが正直な感想だ。

へ~ここか。

わりとフツーの家ですわね。

正直ちょっとボロいという感想は伏せておいた。
まあこれぐらいは普通だとは思うが、タブレットなどの割高な必須教材が必要なオタクな私立高校に通わせる親は少しは裕福な暮らしをしているイメージが合った。
少なくとも詩織のいる声優科は、親に買ってもらった高価な商品を見せびらかす風潮を感じていたのでそう思ったというのもあっただろう。

考えてみればアニメの主人公たちって結構贅沢な家に住んでるよね。貧乏設定のある俺妹の黒猫ぐらい?
そういえばアニメの雰囲気ってこんな感じの家だったな~と、詩織にとって友紀は貧乏キャラということになっていた。勝手に。

お。このゲーセンのすぐ裏にあったのか?

そういえば私達と初めてあったのもここだったよね。これがオタクになった元凶?

麻衣子と琴絵は友紀にはじめてあった時のことを思い出しながら問いかける。

ある意味そうかも・・・。
この大きな建物のせいでテレビの電波が届かなくなってケーブルTVを引いて以来、毎日アニメ専門チャンネルを見続ける日々になってたような。

なるほど・・・


どうりで濃いわけだ。このゲームセンターのガンシューティングが異常に上手いのもこの家の近さなら納得できる。
私達もそれなりにオタクだとは思っていたけど、今まで放課後に話してきた感じでは友紀はかなりずば抜けている印象だった。学校のアニメやゲーム学科の先生ぐらいじゃないかな?あそこまでディープな話についていけるのは・・。

とりあえず私たちは手分けして持ってきたPCのパーツ類を玄関先に友紀のぶんのパーツを運びこむ。

ところで部活に使うPCってあるの?学校近いけど、明日早めに来て運ぶの手伝った方がいいかな?

本体は大丈夫ですけど、ケーブルやキーボードとかの付属品もとなると誰か一人いてくれた方がいいかも。
もう準備してあるので、ちょっと持ってきますね。

友紀は部屋の中に一度戻ると、大きな女の子の絵が描かれたPCとケーブルやキーボードなどパーツ類を詰め込んだ紙袋を持ち出してきた。

え・・・これなの?


正直女の子のパソコンには見えない。まあある意味ヲタっぽさは全開なんだけど。

ええまあ。パソコンはもともとお父さんのお下がりの自作PCなので。むしろ一番無難なケースです。コレ・・・・。


これが無難とか・・・父親のは相当痛いPCケースばっかりってことなの?というか娘にこんなゲーミングPC渡す父親って・・・。

このPC学校に持っていっていいの?お父さん大丈夫だって?

まあ。もともと単身赴任中に寂しいからって私とPCゲームで遊ぶためにくれたものだし。そもそもこっちに帰ってからは最近はあまり一緒にゲームしてなかったですから、すんなり。むしろないと不便だろうからって私に今回買う新しいPCのお金もくれたぐらいで。

へ~。ゲームとかには結構理解あるんだ。

かなりゲーマーです。でも最近は一緒にゲームしてなかったかな?
まあ昨年は私も受験だからって一応ゲームの時間はかなり削ってましたから。復帰しようと思ってもマルチプレイ系はブランクがあると復帰しにくいし、前に当時プレイしてたゲームももう過疎ってたり。そういう意味では部活でゲームってのはちょうどよかったかも。

ふ~ん。うちの親はどっちかというとゲームは反対みたいかな~。
でもコトチンのことは知ってるし、年頃の女の子が派手に遊ぶより、友達とゲームしてくれてるほうが安心できるっ感じ。

えっと。じゃあ明日の朝は少し早めに来て、こっちの紙袋だけ持って一緒に登校ってことだね。


そう言ったところで琴絵が思い出したように言い出す。

あれ?マイコは私のPC運ぶの手伝うんだろ?ダメジャン。

え?あ・・まあ家が近いのは私だけだからしょうがないか。そうなるとサオリンしかいないね。手伝えるの。

あらかさまに嫌そうな顔をする。

学校から近いんですから、放課後にもう一度往復すればいいだけのことでしょう。朝は髪のセットとかいろいろ時間がかかるんですけど。


それを聞いて友紀も反論する。

私だってこのアホ毛、毎日セットしてるよ。

・・・アホ毛ってセットしてるんだ。
意外に驚愕の事実。というか反応に困る。

わかりましたわよ。まあ部室に運び込むのもありますから始業の一時間前ぐらいに来ますわ。

よろしく~。

でもその恥ずかしいPCケースは持ちませんからね。絶対!


そんな感じで朝の集合時間などを打ち合わせてからみんなと分かれる。
自宅が近い麻衣子と琴絵は一緒に帰るときに歩きながら話す。

ようやく明日からゲーム出来るな。ホント、やっとだよ。

でも部員もあと一人見つけなきゃ・・プレイするゲームによっては逆に引かれちゃうわよ?

う~ん。でもその辺は先生に任せておけばいいんじゃない?Blacklightとかなんとかってゲームだっけ・・・。

ああ・・確かに。でもユキちゃんの反応を見るとかなりマニアックなゲームみたいだし。
私たちもゲームのことには詳しい方だと思うけど、知らないもんね。

でもまあ先生がお勧めというならそれでいいでしょ。
ウチの学校ってちょっと変わってて、部活の成績や評判とかも先生自身の評価や給料につながるって話じゃない?部活の人数が足りなくて活動できないなんてことにならないように、最低限は手を打ってくれるような気がするし。


まあ考えてもしょうがないことだ。
それに先生のボーナスや給料の為にゲームやるわけじゃないしね。あんまりおもしろくなかったら、自分たちで面白いゲームを探せばいいんだし。

~~といったことを考えていると、麻衣子が何か思い出したように話を切り替える。

そうそう。PS4も買ったんだ。そのblacklightってゲームも北米ではリリースされてるみたいでごにょごにょすればプレイできるみたい。

へ~。PCのお金出してくれた上に、PS4も買ってくれたの?

ま、PS4は学校受かったらなにかお祝いに~とか言ってたから、それじゃあってことで言ってみたんだったけどね。入学にいろいろお金かかったし、ちょっと遅れたけどって最近。

へ~お父さんも大変だ。

たまにはうちに来て遊ぶ?

うん。そうだな!今日は予習だ。朝までやるぞ!

いや・・・朝まではちょっと。

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