腹ごしらえを済ませた私達は、先生の案内で自作PCの専門店に移動した。

まずは・・この店でケース選びね。

いきなりケースなんですか?


麻衣子はそれほどPCに詳しくなかったが、イラスト等に使ってる学校のタブレットPCとかと違ってゲームにはある程度の高性能が必要だろうというイメージがあったので、てっきりCPUやグラフィックボードを選ぶのかと思っていたので少し疑問を感じた。

まあ部活で3年ぐらいゲームで使うっていうのであれば、買うべきスペックは大体決まってるからね。
 どこで買ってもいいんだけど、どうせ自分のパソコンを買うのであれば。ケースを品揃えのいい店で、自分の好みで選ぶのが一番じゃないかな?
 もっともダサイケースでよければ、ショップのBTOの方が価格的やパーツの相性からくる安定性からもパソコンとしてはいいとは思うんだけど。


先生の説明を聞きながらなるほどとは思う。
どのくらいの値段がするのか気になったのでネットとかでも調べたけど、安いものならプレステ4とかのゲーム機と値段変わらないんだもん。
ただ安いものは確かに見た目から安っぽいって感じがしたのは確か。
コトちんもネットで注文したほうが安くなりそうだから、今日もあまり高いようだったらムリに買わずにあとでネットで注文したらいいとは言ってたけど、どうせ自分のパソコン買うなら”自分にあった道具”を選びたいよね。

とりあえず~~~と見回すと、そこには妙に目立つ巨大なカメが居座っていた。

え?なにこれ?!かわいい!!


麻衣子は思わず声に出してしまった。普通の雑貨屋などなら女子高校生の集団としてはよくある光景なのだろうが、ここはマニア御用達のPCショップ。
その声に店内にいた客や店員は思わず振り返った。

え~かわいいか?コレ?


琴絵は率直に反論した。
確かにカメの形をしたPCケースというのは珍しいが、甲羅の部分はかごのような網目になっていて、すぐそこには巨大なファンが見えていた。
いかにもメカメカしいカメだ。

へ~こんなのもあるのね・・・っていうかこれケースというよりちょっと前に出たオーバークロッカー向けのベンチ台じゃない?それにカバーつけて改造した感じ?メンテナンス性は悪そうだけど。


富永先生は割と冷静に分析していた。
ゲーム用途なら静音やキューブケースは使えるパーツに制限が出てくるし、ゲーム向けならCPUファンなどを載せ替えるとケースに収まらない可能性も出てくるからだ。
モノによっては単体しなければいけないかもとは思っていたが、だがコレに関しては問題がなさそうだ。

店内をぐるりと見回した麻衣子は、またカメのケースに目を戻してじっと見つめると、

じゃあ、コレにする~


と、あっさり決めてしまった。

そのやりとりを見ていた琴絵はジトッとした目でみつめていた。
正直センスを疑うといった印象。とはいえ店内にあったPCケースはほとんど黒か白だった。唯一あったオレンジなどのケースは小さく3万円以上した。

まあOSインストールしたらドライブとか使わないだろうし、まあいいんじゃないかな?


といって賛同した。
イエローのINWINのケースを使っていた琴絵としては、まあ少なくともカラーの選択肢が少ないんじゃしょうがないか?

ほんと、もう少し女の子らしいケースがあってもいいですのにね~!スマホとかは女の子向けケースとかちゃんとありますのに。


心の中でも読んだのか?という絶妙なタイミングで沙織が話しかけてきた。

ああ・・・そうだな。でもPCでゲームするのって基本的に男だろうからなぁ。


焦りを隠しながら答える琴絵。

そういやユキちゃんは?自宅用のPCを別に買うんだよね?


とりあえず自分のPCケースを決めた麻衣子は友紀がどんなPCケースにするのか気になった。

そこに手に炊飯器(のようなもの)を持った友紀が戻ってきた。

何・・・それ?


唖然とした表情で麻衣子は問いかける。
どう見ても電気炊飯器だ。ここって炊飯器も売ってるの?

ケース。


それは炊飯器の形をしたキューブケースだった。

(女の子らしいのを通り越して、お母さん向けPCって感じだな・・)
友紀の手にしたケースを見て、琴絵と沙織はそう思った。

じゃあそのケースにするとして、残りの予算でできるだけいいものをって感じかな?友紀さんのはMini-ITXだからCPUオンボードになるだろうから好みでいいとは思うけど。


富永先生はそういうと店内に設置してあった見積用のメモ用紙を手にとって、パーツを見繕い始めた。まあ先生に任せておけば大丈夫かな?

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