結人(ゆいと)は二つ年下で俺とは対照的な性格をしている。
結人(ゆいと)は二つ年下で俺とは対照的な性格をしている。
就活をしていた頃、希望商社の最終面接が始まる時間に起きてしまい、ぼさぼさの頭で一言、
ま、いっか
働くことにまるで執着が無い。人生そのものにこだわりがない。
道が行き止まりなら途中まで引き返せばいいし、迷ったら迷ったでそれでも楽しいと思えてしまう、超楽観的性格の持ち主なのだ。
現在は書店でアルバイト生活をしている。
一方の俺は自動車販売店の営業に就いて二年、仕事も一通り覚えてきたところだ。
だが毎日思う。
本当にこれでよかったのか? 俺の生きる場所はここだったのか? このために生まれてきたのか?
他に、他になにか、やるべきことが、成すべきことがあるんじゃないのか?
自らの一生に特別な意味を見いだしたいという欲求が、おこがましさを遥かに凌駕していた。
そんな時、実家から連絡が入った。
父が倒れた、と。