ため息をつく和典の肩を誰かがポンとたたいた
家に帰れないって……
どうして本当なの?
実は私、お母様からあることを言われてしまって……
あ、ごめん今から授業だから
ちょっ!
ここは親身に話を聞いて、納得して同棲を認めるって流れでしょ!!
そんな流れは知らない!
話聞いてって―!
わかったわかった、一限終わったら一回戻ってくるから、その時に聞くって
ホントに?
約束するって、だからおとなしく待ってて
わかったわ!
はぁ……
ため息をつく和典の肩を誰かがポンとたたいた
よぉ、浮かない顔だな
昨日の夜からいろいろあったんだよ
ほぉ、お楽しみだったと
バカ言えって
冗談だ。
でも、お前がそうやってごまかす時は、まだお前自身でも整理できてない時だ
そうだろ?
よくわかってんじゃん
ま、話せるようになったら教えてくれ
笑い飛ばしてやる
頼むよ
お帰り
帰ってなかったのか
和典は得意げに部屋で待ち構えていたミラバルに行った。
それでも、ミラバルは得意げな顔を崩さない
そりゃね
ん?
なんか部屋がきれいになってる気がする
貴方が出かけてる間に掃除しておいたの!
役に立つでしょ?
確かに……
それでこんなに得意げなのかと和典は小さくため息をついた
実に小さいサキュバスである
あ、それと
ん?
掃除したら、こんなの出てきたんだけど
お前、それ……
それは、和典が本棚の後ろの方に隠していた秘蔵のお宝本
平たく言えばエロ本であった。
中身見させてもらったけど、なかなかいい趣味してるじゃない
なんなら私が――
しまっとけー!
なにもグーで頭を叩くことないじゃない……
本当ならたたき出してたけど、掃除に免じてグーパンチで勘弁してやったんだ
感謝してほしいくらいなんだぞ
それにしても痛いのよ……
うぅ……
で?
何を言われたんだ?
???
今朝の話だよ
話してみ
よかった!
私と暮らしてくれるのね!
誰もそんなこと言ってないだろ……
まぁ、でも
話の内容によっては考えるよ……
次回予告
ミラバルの抱える悩み……
母親からの課題……
そのすべてがミラバルの口から語られる――
予定……