オアシスの街

飯、水、寝床!!

あーわかったわかった。

飯、水、寝床!!

わかったからそれ連呼すんのやめてくれない?

飯、水、寝床!!

うひょおおおおお真水ううううううう

パク

!!

なんという…なんということだ……

美味過ぎる!!!
シェフを呼べ!!!

人間なんかよりはるかに美味いぞ………!!

魔界料理なんかと比べものにならない………!!

シェフは俺だ。
買ってきた素材ならこの宿で料理させてくれるんだ。

……嘘だろ……?

旅をする者これくらいは基本だ。

こいつ……私の胃袋を虜にする気か……!

くっそ手が止まらん!!!

鎮まるんだ!我が右手よ!!
かつては指揮においてその右手を見るだけで勝利を確信されたという右手よ!!

料理を口に運ぶのをやめるのだ!!!

くっそ兵糧から狙うなぞ、卑怯だぞ……

まったく変な奴だなお前。
料理もできないのに旅してるとか。

親切かと思えば急に冷たくなるし(ボソッ

料理は仕方ないだろ!!
それに本当は旅するつもりはなかったんですぅ!!

お前のせいでな☆☆

じゃあなんで旅に出たんだ?
それに目的も聞いていなかったな。

そ、それは………

逃げだしたんです。故郷から。
私は望まれない子でした。
この声で迫害を受けました。
とてもつらかった。

そして安住できる場所を探してるんです。

私、女優行けるんじゃね?

……そうか、また悪いことを聞いたな。

だがその決断は立派だと思う。
時に逃げることには代償を伴う。
君は故郷を自ら手放した。
それは忌むべき故郷であっても故郷なのだから。

辛かったろう。故郷を捨てるのは。

逃げる?……代償?

もう一度言ってみろ!!

何度でも言ってやるよ、人間との戦の最中

魔王は逃げ出した。

そんなはずあるわけないだろ!!

魔王様が私たちを見捨てるはずがない!!

あるはずがない…!

あるはずが………

だが事実魔王は戻らない。

いや、先代魔王、だな

………貴様……血迷ったか……!

正気だとも、誰かが魔王にならなければ我らは滅ぶ。人間によってな。

ついて来い、四天王、森の魔女。
新しい世界を見せてやる。

お断りだ…………

私は先代四天王だ………
もう誰にも仕えない………

先代にも、お前にもな…………

先代様は何をもって私たちを捨てたのか。

いつまでも答えはわからなかった。

どうしたんだ、プリシラ

少し、故郷を懐かしんでいたのさ

あれ?

涙が……まだこんな思いが残っているなんて思わなかった。
ああ、だめだ止まらない。


どうして私たち、私を捨てたのですか…!


魔王様!!

よほど無理をしたんだな。
よく耐えたな。辛かっただろうに。
ほら、ハンカチだ。

俺は少し散歩してくる。

やめろ、人間ごときが今、優しくするな!
優しくしないでくれ…

うぅ………

うわああああああん

ふぅ………

待ってくれてどうもありがとう

……情報と違うぞ、探知はできないはず

………情報に偽りはないはず…だ

へぇ、やっぱりいたんだ。
数は五人ってとこか。

こいつ…カマかけやがった…!

よくしゃべるアサシンだ。
西はないとして、北、南どっちの者だ?

もういい……殺せ!!

オアシスと過去と不穏と

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