僕は、パパに笑顔になって欲しかったんだ

なのに、どうして、
こんなにも――

ここ…は…

君はね、僕のお姉ちゃんだよ

それでいて、
お父さんへの誕生日プレゼントだ

誕生日プレゼント…?

―――――

スイッチ入れるよ!!

お、おう…!!

は、はじめまして

う、動いたぞ!?
しゃべるぞ!?

すごいだろ!

すごい!!
これでミサイルとか打つのか!?

すげー!すげーな!
ロボット!!

喜んでもらえてよかった…

博、ありがとな

へへん、ひれふせ!

は?

色々ありがとうございました

流石に女の子に
男の人の服着せるのはな?

ぼく、福袋さえ
買ってもらったことない

俺がガキの頃の服、
あるだろーが

ふぅん……

ピーマン嫌いなんだけど

食え

食べたら死ぬ

馬鹿かよ
食え

代わりに、私が――

ままままままて!?
ロボットは飲食厳禁!!!

本気で食べたら
死んじゃうだろ!?

………ふぅん…

………

なんか違うよね

ごめんなさい…ですが…

なかよく、なれたましたよね…?

パパと、仲良く、
それが、博さまの――

もう、いいや

え…

だって、パパは僕より
君の方がすきなんだ

そんなこと――

あるよ

は、話を…

スイッチ、オフ

――――

帰ろ

あれ、

まあ、こっちか

天才は
道ぐらい分かるっての

あ、いや、これ、迷子だ

なあ、俺の息子知らなったか!?

お前のところなら、
大丈夫だろ

誘拐されてたらどうすんだよ!?
超天才息子だぞ!?

そこは、たった一人で育てた
大切な息子――って
言うところなんだけどな

どうすんだよ!?

ロボットもいないから
探索機能も使えない

めんどくせえええええ…

……ロボット?
それなら――

もう、帰らないと――

じゃない、帰らなくていい。

今頃、二人で仲良く暮らしてるから

あ、そうだ
棄てたんだった

僕は、ただパパに
しあわせになって欲しかったのに

ひどいことした

帰りたいけど、もう帰れないな…

お、いた

なに、

今日、夕飯に
ピーマン入ってねぇから

あ、そう

久し振りに服でも
買いにいくか?

パパのお古着るから良い

…………

じゃあね

そんな気を遣わないで
僕は、ひどいやつなんだ

さっきまで、
泣きながら博さまを
探してたのが嘘の――

ちょっ……

え、泣いてた…?

というか、ゴミから漁って来たんだ

はい!

私の、貴方を
探索する機能を使う為に

うそだ

プログラムが嘘吐く必要、
ありますか?

…………そう、だけど…

だけど、は、いらないよ

私は、パパと博さまを
幸せにするために
作られたんだから

―――っ!!

ばか、お前、そういうことは……!!

言えるかよ

わたしも、帰っていいかな?

何言ってんだよ、

帰ろう、姉ちゃん

にんじんは、嫌いです

おーい、好き嫌い駄目だ

グリーンピース食べるよ?

成立!!!

お前ら、食え

ふたりとも、死なねぇと分かったら
そこは容赦しねェ

僕は、パパに笑顔になって欲しかったんだ

なのに、どうして、
こんなにも――

良いじゃないですか、
今日はわたしの誕生日でもあります

お、お前、まさか、
この子誕生日プレゼント
だったのかよ…!!

気付くの遅すぎだろ?

不器用なんだろうって、

不器用な話

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