でも、貴方だから、
楽しかったですよ

今からでも間に合……

貴方は、
この世界の人を見て、

守りたい、救いたいって、
思ってくれました

私のことも、
守りたいって、

でも、貴方はただ
――弱かった

あと、非イケメン
これは致命的ですよ?

でも、それだけ、

お父様も、王様も、たくさんの民も、

みんな、私のことを見て見ぬフリをして、

私を平和の為に利用しようとした

――だって、私を救おうとする人は

誰もいないから、

そう、思っていたのに

例えば、

嫌がってるからやめて

そんな、ありふれた一言で、

私を救おうとしてくれてるって
思ってしまう

美人でスタイルとノリの良い
ちょろいお姫様がいるとしたら、

――――

貴方が、
弱くなければ、
良かったのにな

――――!!

絶望もぐもぐ

それ以上、
彼を苦しめるのはやめて

最後ぐらい、
好き勝手言わせてください

勇者、この女の話、
聞かなくていいから

アンタは弱い
でも、それは仕方ないこと

だってこれは、

貴方が弱いことも
計算済みの計画だから

お喋りが過ぎるよ、賢者

そうですね
失礼いたしました

更に慈悲をあげよう。

―――?

君の記憶を、残しておこう

待って……くださ……!!

一緒に……帰ろう……!!!

救えない人間に
助けを求めるなんて
出来る訳ないじゃない

じゃあね、
もっと苦しんでね勇者くん

――

――――

――ほら、どうせ
未来は変えられない

アンタは悪くない、
こうやって、

もうずっと繰り返してきていること

唯一送ってやれる慈悲は、
村に送り返す術式を作ることだけ

出来れば、
記憶も消せれば良いんだけど

――魔王の力には抗えないからね

僕は、
どうすれば、良かったんだろう

僕は、何も救えない

目の前で、ただ、ただ弱いって
言われるだけの勇者ってなに

――僕自身、
こんな勇者はいらないって思ったよ。

決戦…!④

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