とおくに行く前に言わせて、

あのね、きみが、すきだよ

まだ、だめ

え？

君がつよくなるために

――どうしようかな


……あっ、

きみが、王子様になったら
けっこんしていいよ

王子様になんて……

なれるよ

だって、

なら、
けっこんしないだけの話

…………むり、だよ

……そう、君は王子様にならないんだ

なら、ばいばい

待っ……

やあ、おはよう。
僕のプリンセスたち

今日も僕の輝かしいシャイニングが
サンシャインしてるよ

は？

は？

きゃー、北見様ー！！

北見様こっちむいてー！！！

北見様ー！！

ずっと君達のことだけを
見てるよ☆

なんだあれ

最高にうざい

なぜか千花ちゃんって
北見くん嫌いだよね

嫌いではないよ？
割と好き

あ、そう？

でも、だよねー

顔は恰好良いし、特待生だし、
王子様って感じ

ソウダネ

棒読み！？

とりあえず、私、
次の授業あるから行くね

ところで、
千花ちゃんは？

さっき出てった

はい、ざまぁ

可笑しいな
僕のマイスウィートなのに

は？

いつ、お前のになった。

全世界の王子様だから

日本語か？

かっこいいから何でもいいよ！

ここは日本か？

とにかく、千花は、
高校では
目立たないようにしてんだ。

お前がかかわるな

――中学時代、何があったの？

………っ、

で、何なの？
千花ちゃんに何があったの

部外者だろ、お前

じゃあ、君は？
僕は王子

僕は王子って、よくもまあ

え？

俺はその、お、おと、――

お友達？

お、おとう―――

おとうと、だよね。
しってる

お父さんだ

…………

今のは、

流石に、

無理がある、

なんだ……って…！？

うそだろ…？

……も、

も？

もういい！！
俺がお父さんだ！！

……何だろう。
何か、安心したよ

お父さんだもんね、君

馬鹿なのか、乗せられたのか、
全く分かんねぇ…

わーい、サンドイッチ美味しいー

ただ具材入れただけだけどね

で、どうしたの？

最悪の事態が起きました

私のクラス、完全に
偽物王子に占領されました

ぎるてぃツミツミしますか？

目立ちそうだから
まだ待って

それにしても、
偽物王子って、言い方…

笑わないで、

こっちは腸が
煮えくり返ってるんだから

もちろん、貴方は
守ってくれるのよね？

自分を誰だと思ってるのかな

目立たない仕事なら
何でもやるよ

何はともあれ、わたしは、
千花様の平凡を応援します！！

！！！

わんちゃん！！！
結婚しよ！！今すぐに！！

え、それは嫌です

―――サンドイッチ、おいしいね

あのー

拗ねられても
結婚しませんから