キヨヒコ

・・・で、どうやって脱出するんだ?

かんたんなこと。

君が扉を想像し、私がそれを具現化する。
ただし、想像するのは明確に「どこに繋がった扉」と思考すること
扉だけだとただのドアになるから・・・

それが、今わかった範囲での君の力だ。
まぁ、想像力は低いと私みたいに中途半端になるのもわかったところだし・・・
やっと自分を思い出したわ。

キヨヒコ

君が具現化するのに僕の力なの?おかしくないか?それって・・・

それは確かに・・・おかしい
だけど、想像したものを具現化するのは私の力でもないし。
それに、誰の想像だからってできるわけではないと思う。

キヨヒコ

よくわからないけど・・・
とりあえず、やってみようか。

ここでか?別に構わないが・・・いいのか?

キヨヒコ

あんな奴がいるなら一刻も早く出たほうがいいでしょ。

そうだな。わかった・・・

浅はかなやつだな・・・こいつは

キヨヒコ

穏当に・・・できた・・・

問題はこれが機能してるかだろう?ほら、開けてみなさい。

キヨヒコ

あ・・・あぁ・・・

ドアノブに手をかける。ゆっくりと回す。「カチャ」とロックの外れる音がする。

聞き慣れた感触に心が安堵する。
ゆっくる開けると目の前が眩む。

真っ白い世界に投げ出されたような感覚。
不安が大きく囁いた。

「失敗した」と・・・

キヨヒコ

そうか、やっぱり駄目だったんだ。

何がだ?

キヨヒコ

え・・・生きてる。
なんで・・・

キヨヒコ

いや、だって・・・さっきまで

さっきまで真っ白い部屋にいたから・・・だろう?

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