廊下は授業中で静かだった。耳を澄ませば授業の内容が聞こえてくる。二年C組に向かう、鮫野木に六十部は話しかけた。
廊下は授業中で静かだった。耳を澄ませば授業の内容が聞こえてくる。二年C組に向かう、鮫野木に六十部は話しかけた。
鮫野木くん、あなたに聞きたい事があるわ
何です?
何だろう? 真剣だな。でも、さっきの事もあるからな。
六十部の顔をうかがう。
どうしたの? 私の顔に何か付いてる?
いえいえ、何でも。それで?
六十部は静かに話し出した。
実は鮫野木くんとは学校で会って話したことがあるの? 覚えてる?
え! そうなんですか
アレ? それなら、覚えてそうなのにな。こんなに綺麗な人、覚えていないはずが無いのに。
ええ、一度だけね
えーと、いつですか?
……やっぱり、覚えてないか
六十分は小さなため息をついた。
これだから鮫野木くんは私なんかに敬語を使うのよ
まったく
それって、どうゆう?
ふふ、聞きたい
嬉しそうに微笑む六十分を見て察した。あっこのパターン、また馬鹿にされる奴だ。
はい
鮫野木くんは私のこと年上だと思ってるけど、まだ16なの
へぇ~そうなんですか
16ねぇ、同い年か……
……
えっ
ふふ、やっぱり鮫野木くんは面白い
本当、六十部さんが楽しそうでなりよりです。
最初に言ってくださいよ
あら、ごめんなさい
でも、雪音さんは気が付いてたわ
そうなのか、ユキちゃん
まぁ、なんとなく?
なんとなくって……
ハハッ、本当はここに入る前、こっそり教えてもらったんだ
小斗は鮫野木の肩を叩いた。
なんか、いろいろ損した気分だ
そう?
ああ、もう敬語なんて使わないからな。六十部……さん
あら? 六十部って呼び捨ててくれないの
嫌、あの……
俺がもたもたしてるうちに六十部が話す。
まぁ好きに呼びなさい。鮫野木くん
あ、はい
俺の中じゃ、あんたはもう、六十部さんなんだよなぁ。
それはそうと、ここね。二年C組、野沢心が居る教室は
教室の前まで立ち止まる。二年C組と書かれたネームプレートが目に入った。間違いなく、ここが二年C組の教室だ。
あっ! ほら、あそこ。後ろから三番目に!
小斗が指を指した所を良く見ると、こちらから見て四列目、後ろから三番目に野沢心が座って授業を受けていた。
……
……あの時の僕っ子
窓を等して野沢心が目に入る。教室に入れば手が届く場所に彼女が居る。鮫野木は扉に手をかけた。
続きが楽しみです