うっすらと、夢から覚めるように意識が浮上するのが分かった。
うっすらと、夢から覚めるように意識が浮上するのが分かった。
……
悠美……?
動きの悪い手を上げようと少し体を動かすと、碧の声がした。
視線を動かすと碧が、ビックリしている。
おはよう、悠美
……おはよう
そのあと、看護師さんやお医者さん、お父さんお母さんが来て、碧は一回お家に帰った。
少し落ち着いた時、碧はお見舞いをもってやってきた。
少しは回復した?
うん
悠美、ごめんね
ううん
碧が悪いんだ。
悠美をもっと早く止めればよかった。
あの時、逃げなきゃよかった
……あたしね、碧が大好きなの
?
あたしのこと、ちゃんと見てくれる、碧が大好き
うん
だから、あたしもごめんなさい
な、何が?
あの時、碧を傷つけようと思って、窓から落ちた。
やけになった
わかってるよ
碧があたしを見てくれないって思ったら、全部嫌になって。
よくないよね
……ふふ
なによ
悠美、ゆっくり休んだからかな。
前みたいになってる
まえ?
うん。
あたしの知ってる悠美ちゃん
……やめてよ、恥ずかしい
ふふ、碧、毎日来るね
夏休みなのに?
いいよ
碧は悠美をちゃんと見てるよ
ありがとう
それで、ちゃんとみんなに謝りに行こう
うん
翠ちゃんたちも分かってくれるよ
うん
それで、許してもらえなかったら、二人で償っていこう
……うん
泣かないで悠美。
間違ったことはもう取り戻せない
うん……うん
一生背負って生きていこう
うん
あたしたちは、二度と幸せになっちゃいけない。
それだけのことをしたの
うん
一生、背負って、一生償っていこう
今できるのはそれだけだよ
うん
碧はほんとに、毎日病院に来てくれた。
その合間に、今までのみんながどこにいるのか調べてもくれた。
絢香ちゃんは直接来てくれた。
ちょっと、気まずかったけど、悠美のことは許さないってはっきり言ってくれて、泣いちゃったけど、ちゃんと突き放してくれて。
悠美と碧は一生かけて償っていくって、二人で決めた。