ああ、天上が近い

もうすぐお迎えが来るのだろうか――?

お迎えですのよ

君は、天使?

違います。
女王に仕えし、舟職人です

舟……職人…?

あなたが、
もし、最期だと言うのなら

消える前に、その命、
加工して、未来へ
乗せてってあげましょう。

如何なさいますか?

確かに、もう死ぬんだろうけど――

この命は、

ええ、嘘だと思うのなら、
あなたは、ただ死を待つ。それだけ

ただ、貴方の見てきた世界、
想い、貴方自身を、
このまま見殺しにするのは勿体ない――

貴方の命、私に預けて欲しい

でも、まだ、誰にも
さよならも言ってない

それからで、いいのなら

もちろん、
お待ちしておりますわ

――分かった。
また、明日、此処に来るよ

うん、待っております

明日は、良い報告が出来ますの♪

馬鹿正直に言い過ぎではありませんか

いけないことですか?

また明日、今度来る
――来ない奴らの常套句ですが

そんなこと御座いません

ちゃんと来るって言いました

ならば、例え話を致しましょうか

燐子

そこの理論と威圧で攻めて、
人を陥落させる奴、黙りなさい

お互いがWin-Winとなって

始めて契約を
結んでいるだけですが何か

燐子

こいつは真面目そうだから

信じておけばいいって
思わせてるじゃないの

貴方なんて、ただ情で人を騙している
詐欺師のような行為止めて戴けませんか

品位を疑います

燐子

違うの、私の健気さに
みんな心奪われちゃうだけなの

燐子

嗚呼、なんて素敵な人達……

優しくて、易しい
ジェントリージー様、万々歳

わー、こわいねー?

燐子

わざと、短パン履いて生足出してる奴に
言われたくないの

同族嫌悪ってやつかよ
なっさけねーなァ?

……純粋な子どもの笑顔が不足します

僕でよければ、

純粋でも、子どもでもない笑顔など
いりません。

魂狩れた奴が、正義だよ♪
だから、あの子達は対等な立場だ

ただ、燐子。

燐子

え、私、ですか?

回転率悪いよね
もっと冷酷に、簡潔に出来ないの?

燐子

無理

私、魂を乗せるの凄く丁寧にしたいから

ああ、そう。
なら、君は契約のみやってよ。

契約し終えた魂を運ぶ作業は、
君が一切関与できなくさせるから

契約終わったら、
優しさとか要らない

そんなことは分かってるよね?

燐子

――分かりましたよ、早くします

最低でも、5分は短縮しろ

さもなくば、

燐子

分かってますよ、
この鬼畜司令塔が

お前が遅いのが悪いんだよ、カメが

燐子

商売道具の化けの皮が
剥がれて、大人になってますけどー?

うわー、

司令塔先生って
本当に露骨だねー

ボクにとっては、
チーム戦のゲームみたいなもんだから

『世界滅亡するまでに

舟に必要な感情を
持つ人間を集めろ』
ってゲーム♪

正直、世界滅亡は
どうでもいいけどな

でも、もうすぐ皆消滅するのなら、


滅亡ならではの愉しみ味わえるのは
最高に良いよね?

あ、あの、消滅しない為に、
私たちは舟を作っているのですよね…?

ああ、そうだ

ああ、そういう設定だったか。

本当かもしれないけれど♪

本当に良い性格してるねー?

見知った友人にはよく言われるよ

いつかノアになる君達へ

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