王子様は森に向かいました。

そこには、魔法使いの女の子がいました。

こんにちは

やぁ

また、お腹が空いたの?

もっと、おいしいプリンが食べたいのだ

おうじさま……

女の子は困りました。


女の子の用意できるプリンは魔法で出したその1種類だけ……

それ以上のものは出すことが出来ません。

王子様のお腹が泣いている。




泣いているのはお腹だけではないことを、女の子は知っていました。




プリンがあれば、
王子様のお腹も心も満たされていたはず。

また、嫌なことがあったのね

ああ

でも、魔法のプリンはそれ以上にはなれない

ダメ、だろうか

王子さま、プリンを作ったらどうかしら

僕が作れるものか?

私の魔法では、これ以上のものは作れないの。ごめんなさいね。

そんな……

女の子はおどろきました。

王子様が突然泣き出したからです。









彼はずっとお城で一人でした。



彼が怒る理由は
みんなの気を引きたかっただけ。






怒れば、
みんなが来てくれるから。

自分を気にしてくれる。




だけど、今は違う。










王子様が怒れば、
プリンを差し出されるだけ。







プリンを置いて行ってしまう。





また、一人になってしまった。






だから、みんなの気を引きたくて、


もっと美味しいプリンが食べたいと叫んだだけ。





我儘を言って、
自分を見て欲しかった………





だけど、彼らは同じプリンを置いて行くだけで見てくれない………






王子さまはプリンが食べたいのではないのね

プリンが食べたい

そんなに好きなら……一人で食べるプリンじゃ満足できないのなら

女の子は王子様の手を握りました。

みんなで一緒に作って、みんなで一緒に食べれば良いのよ

エルカ

一緒にプリンを作って、一緒に美味しく食べた≪私たち≫は、このあと…………

エルカ

そうだったね、この物語の結末は…………

エルカ

………それでも、私は結末に導くよ

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