犍陀多

――あー、此処は?

死んだから、
その前の涅槃――のような所よ

陀牛、
久し振りの地獄になるんやけど
覚悟は出来ておるかえ?

犍陀多

いや、全く

犍陀多

本当は誰だって、
地獄になんざ行きたくねぇよ

そうじゃなー
さっすが、陀牛ー

犍陀多

そこ、喜ぶ所じゃねぇだろ

犍陀多

あんま言いたかねぇが、
本気でビビッてるからな

まずは黒縄地獄からじゃな?

犍陀多

なんだよ、軽ぃじゃねぇか

これで軽いと言っている辺りが、
地獄慣れしているというか、のぅ…?

それはさておき、

悲報と朗報があるんやけど
どちらから聞きたいかえ?

犍陀多

普通、此処で悲報って言うんだよな?

そうじゃな、悲報としては

妾とは、もうお別れなんよ

犍陀多

一人で
地獄に行ったら、
迷うからな?

――して、朗報。

お主は―――

甘藤杏子

待って

何ー?

甘藤杏子

何でこんな大所帯になってるの

だって、ほら、
和国と常世国の同盟
組みました宴だから

檻田

まさに、大団宴だね?

ねー

檻田

え、あ、う、うん…

わーい、引かれてるー!

わーい、引かれてるー!

わーい、引かれてるー!

わーい、引かれてるー!

………橋姫、それしまえ

えー、
そんなに、
これが気になるかー

その手があったか

いえ、それは……ないです

……そうか……

ですが、
こうしたらどうでしょうか

……!
そうか…!!

はい。革命返しで上がり

憂叉

………何が、起こっているのですか…?

檻田

前までは、
願掛けで革命ばかりしてたからね
もう本気出せるんだよ

此処で、私は黒の札を!!

檻田

あれはもう
封印されし
黒の札と化した!!

な、なんだってー!!

なんだってー!

乗るな

甘藤杏子

――まだ、桜も咲いてないのに、
どうしてそんな、
お酒ばっかり吞んで全く…

檻田

そう言う時は、君も酔えばいいんだよ

檻田

咲かない桜ばかり見て何してるの

甘藤杏子

もうすぐ、咲くかなって。

あ、そういえば、
犍陀多に
借してる金
返してもらってない

檻田

ああ、てっきり忘れてた!!

檻田

早くさけよ

檻田

って、何してんのさ

だって、「早く酒」って言うから

か・け・た♪

あら、先程引かれた事を
根に持ってますのね?

大人げないですね!!!

ほら、
神に大人も子供も
ないからさー?

檻田

――憂叉、こいつ――

憂叉

あ、面倒臭いので
嫌です

檻田

こいつ……!

憂叉くんさ、
せっかく王様止めれた訳だし、
和国来ない?

ずっと寝てても良いから

憂叉

良いですね

檻田

ちょっと、

止めた方がいいぞ、
コイツの下は
本当に止めた方がいい

檻田

如月さんさえ良ければ、
常世国の枠、何処でもあげるよ

それならば、

――?

和国の役職は、
一回成ったら
抜けられない仕様
であろう…?

憂叉

良く分かりました。

和国転職は
丁重にお断りさせて
戴きます

甘藤杏子

君の好きな光景が、
目の前にあるのに、
君は目の前にいるのにね

甘藤杏子

――でも、君は咲かない

言っとくけど、
咲いてる時じゃねぇと、
人の形になれねぇだけだぞ?

甘藤杏子

……っても、お前が巫女だから、
声が聞こえるってだけだけどな。

甘藤杏子

そう。

聞こえるなら、
独り言聞いてってよ

甘藤杏子

私、君が、みんなが
幸せになれるように祈るからね

おう

甘藤杏子

次は、
死が怖くて、
生きるんじゃない

甘藤杏子

どうせ死ぬんだから、
格好良く、強く、楽しく、
そんな生き方が出来る様に
祈りたい

あー、なんだっけ

そういうの、
リントモリメメっつーんだっけか…?

甘藤杏子

それ、如月に聞いたけど
メメントモリじゃないの…?

なんか輪燈 眼々さんみたい

そういや、
眼々様はそういう概念の
集合体とか何とか言ってたな

甘藤杏子

はーい、
それなら却下ー

和解したとか言っときながら、
妙に嫌ってるよな…?

甘藤杏子

大きいからね

は?

甘藤杏子

やや、何でもないよ?

甘藤杏子

さて、
もっと綺麗で、
それっぽい言葉に

この桜花の甘藤が変えてしまおうか

さくら咲くよう、桜供養


一旦、之にて閉幕

さくら咲くよう、

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