僕は、大学4年で就活してたんだけど、
就職うまくいかなくてニートになって、
でもやっぱり失敗続きで
なんと就活108連敗中!
もう人生嫌になっちゃうよね!
やあ!僕、ボクサツ!
朴田察男(ぼくださつお)って名前なんだ!
略して「ボクサツ」!
なんだけど、まあ「撲殺」っぽくて
ひどいあだ名だよね!
僕は、大学4年で就活してたんだけど、
就職うまくいかなくてニートになって、
でもやっぱり失敗続きで
なんと就活108連敗中!
もう人生嫌になっちゃうよね!
そんな僕のもっぱらの楽しみは、ゲーム!
巷で人気の『ボクメンゴー』は、みんな知ってるよね!
登場キャラがみんなこんな感じで可愛くて
一人称「ボク」で、
そんなボクっ子のメンバーを集める
スマホのゲームだよ。
現実世界で歩いていると、スマホの画面に
ボクメンが出てくるんだよね!
これを捕まえていくのが楽しいんだー。
いやー就活も108連敗してるし、
こういう日はゲームにかぎるね!
僕は、いつものように道で歩きながら
スマホの画面見て『ボクメン』やってたんだ!
楽しいから歩きスマホやっちゃうよね!
大型トラックが走ってきてるんだけど
ゲームに夢中で気づかない僕!
ボクメン、もっと捕まえたいなー。
人生つかめきれてないから
せめてボクメンはつかまえきりたいなー
はい、僕はトラックにぶつかりました!
すごい勢いで、自分の体が吹っ飛びました!
うわー!いてー!超いてー!
あーあ。就活108連敗してさらに
スマホゲームしてたらトラックに
ひかれて死ぬって、ひどい人生だったなー
宙を舞いながら、そんなどうでもいいこと
考えちゃったよね!
あと、フィクションでよくトラックにはねられて死ぬのあるけど、
それトラック運転してる人に失礼だろ!
とか思ってたけど、いざぶつかると死ぬもんだね!
宙を舞いながら、さらにどうでもいいこと考えたよね!
あー僕、死んだんだなー。
死ぬとあっけないなー。
あまりに唐突で悲しすぎて
涙も出ないよね!
せめてボクメンはコンプしたかったなー
とか思ったよね。
ついでに『バイオショッキ・インフィニティ』ってゲームもやりたかったなーとか、余計なこと考えたよね!
おい、起きろ!
なーんか、声が聞こえて、うっすら
目を開けてみる僕。
この大馬鹿もんが!死んでしまうとは何事だ!
え?ドラクエ風の台詞?
なーんか、きれいな感じのお姉さんが
僕に向かって怒鳴ってるよーに
見えるよね~。
これ、夢かな。
ええ?なんか言ってる?
僕に言ってる?
目を覚ませ、このクソバカ野郎!
お前は何もんだ?名を名乗れ、このクソメンズ!
ええ?クソメンズって…
まあ、ひどい言われようだよね!
お姉さんの言った「クソメンズ」って単語に思わず反応しちゃったよ。
僕、ボクメンです。
何?
あ、ボクメンです。ゲームです。
ボクメンやってて、トラックにはねられて死んだんですよ。
ボクメン好きだったんですよね~。
妙に冷静に死んだこと話す自分に、内心驚くよね。
なんだと?「ボクメン」が好きだとは…。
お前、言ってくれたな。
よし。では、お前と契約してやろう。
この書類にサインしたら、お前を契約社員として採用して、生き返らせてやる。
なんかペンと書類を渡されたよね。
ほぼ寝てたし、暗くてよく分からなかったし、
でも「生き返らせてやる」って言ってくれて
ラッキー!と思ったから、まあ書類にサインしたよね。
よし、サインしたな。
では私の名刺を渡す。名刺の裏に時間と場所を書いてある。明日、必ず時間どおりにこの場所に来い。いいな?
そう言うと、謎のお姉さんは僕をドーンと突き飛ばした。
うわー!
僕の体は、また吹っ飛んだ。
トラックにはねられた時よりもさらに強く吹っ飛んだ。
トンネルのようなところを凄い勢いで飛んでいく。
トンネルの出口らしき強い光が見えた。
うわー!まぶしい!
僕の体は、ものすごい勢いで空を飛んで行った。
地上に引き戻された感じがしたよね。
で、飛んでる途中でまた気を失ったわけだ。
いや~人生何が起きてるのか、よく分からないことあるよね!死後の世界でもね!
さつお!さつお!
あれ?なんか自分の名前を呼ぶ声が聞こえるよ。
さつお!よかった!さつお、生き返った!
気がついたら、病院のベッドの上だったよね。
僕はベッドの上で寝てた!
母親がベッドのわきにいて、なんか色々言ってる~っていうのが目覚めた時の最初の印象。
さつお!良かった、さつお、生き返った!
もうね!親を心配させるんじゃないよ!
バカでアホでニートで怠け者で、
就活失敗続きで、何事もやる気なくて、
あげくの果てにスマホゲームしてて
大型トラックにはねられて死ぬとかね!
もうバカかと!アホかと!
自分の親ながらここまで言うの、ちょっとひどいよね!
でも、生きててくれて良かった。
親より先に死ぬんじゃない!
それは何よりの親不孝だ!
まったく生きていてくれてよかった!
まあ、母親が心配してくれてるようで
よかったよね。
トラックにはねられたはずなんだけど、僕は
奇跡的に軽い打撲ですんで、翌日には退院できる
ようになった!
いや~人生何が起きるか、分からないよね!
お、ポケットに何か四角い紙のようなものが入ってる!
これは、あの謎のお姉さんがくれた名刺か?
僕は、ポケットに入っていた四角い紙を
とりだした!
そこに住所が書いてある。
これ、この場所に行けってことだよね!
続く。