ねぇ、『 』。相談があるんだけど

なんだい改まって

…………やっぱり、無理だって

それって…………そうか

うん。だから、貴方に聞きたいんだ

私と、この子……どっちを取ってくれるのかって

…………

……答えなきゃいけないのか?

うん……ごめんね。さすがに今のは酷すぎるよね

でも、私もさ、貴方と一緒にいたいんだよ

でも……止めたくないんだろ?

うん……ごめんね。勝手だよね

…………っ

ねぇ……お願い。たとえ私達の世界から私だけ先に出かけて行っちゃっても、貴方は留守番しててほしい

そして、この子のこと、私の分まで愛していてほしいな?

おはようございます。少しは眠れましたか?

まぁ、夢を見るくらいは熟睡できました

それはそれは。どんな夢でした?

多分……生前の俺だったんじゃないかな。彼女らしき人と一緒に泣いてました

女の子を泣かすとか、畜生ですか

泣かせたわけでもねえよ……多分

そういえば、俺が寝てからも何かしてたみたいですけど、何か分かりましたか?

まぁ、ひとつ分からないことがありまして

何故エンヤが不評なのか、それがどうしても分からなくて

あんな演歌張りの掛け声なんか嫌に決まってるだろ

いっそ更に拳に力を入れようかと思いまして

何の嫌がらせだ!!

まぁそれは冗談で、探しては見ましたよ。といっても、この世界も色々広大なので骨が折れましたが

本当ですか!?

それはもう。この山姥の力を舐めてもらっては困りますよ

気に入ってるんすかそれ

この世界の中でそれから感じる波動と非常に近しい波動を感知しました。それは……

それは?

……王都。この世界で最も人口が密集している場所です

4歩目 追憶は優しく溶けて

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