カオル

ねぇ、お妃様。

聞いていいかおー?

ヴェッセル

カオルちゃん、語尾どんどん酷くなってくね!!

カオル

迷走してるのは元々だから諦めたお!

ヴェッセル

諦めてないよね、その語尾。

カオル

う、煩いな…!?

ほら、そんなに猟師で虐めないでくれる?

で、何?

そのメイク落としてから、
聞いてあげる♪

な、なんか逆に落ち着かねぇ…

ヴェッセル

末期だね!!

お前らが、
俺を調子に乗らしてんだろ!?

あーあ、似合ってたのに

ヴェッセル

そうだよねー。

そ、そうかー?

でも、
お前が落とせって言ったんだから

もう、あの姿を拝むことは――

だって、痛いから。

痛っ…!?

ヴェッセル

駄目だよ、本当のこと言っちゃ。

本当の…っ!?

……な、なぁ

お前ら、そんなに俺を貶して楽しいか?

何言ってんの?

ヴェッセル

最高に

楽しい♪

う、嘘だろ…?

――で、何?

どうやって、此処に来たんだ?

――――。

鏡に、手を引かれて。

ああ!

俺が嘘吐いたのをチクったアイツか!!

あ、ああああんなの
誰がどう見ても、
イノシシの心臓だったからね…?

ヴェッセル

イノシシの心臓?

ボクが白雪姫を殺して
心臓持ってきてって言ったのに、

俺が、
イノシシの心臓持ってきて、
殺したって嘘吐いた

ヴェッセル

うん、あんまり分からないけどさ

ヴェッセル

なんでそんな馬鹿なことしたの?

白雪姫、本当に可憐で、殺したくないと思った。




……と、思ってたら、噛まれた

ヴェッセル

噛まれた?

そう。

俺は、
白雪姫の眷属だ

ついでに言うと。
隠す為に、女装させられてた。

「もし、薫くんが
その主の近くにいても
見つからないように♪」だと

ヴェッセル

ごめん☆

趣味だと思ってた☆

はぁああああ!?

猟師、猟師、うるさい。

あ、お、おう…悪かった。

でも、白雪姫は此処にいないんでしょ?

なんで隠すの

流石に、姉さんには
誰に噛まれたか言ってないしな

ヴェッセル

いや、言えよ

流石に、言えないだお

……癖だ、忘れろ

ヴェッセル

今回はスルーしてあげる「お」

……してないだろ

あとな
――絶対的に、彼女は此処にいる。

なんで分かるの。

奴隷はご主人様の為に
生きてるモンだからな

考えている事から、
何をしているか、
何処にいるかまで、
身体に流れ込んでくんだよ

ヴェッセル

へぇ。本物の吸血鬼って
そういうものなんだー?


似せモノ吸血鬼にはよく分からないなぁ

猟師さ、なんで、それお姉さんに言ってないの?

――白雪姫って、絶対的なんだよ

何それ?

「白雪姫の事を殆ど知っている」
……なんて言ったら

全貌を言わざるを得ないだろ?

あれだけ抗っているのに、
その全てが絶望的だと伝えたくなかった

一応、本人たちは本気で
この世界から抜け出せるとか思ってるし

ヴェッセル

カオルちゃんって、
熱血に見えて冷めてるよね?

眷属になった時点で、
何もかもに縛られてんだよ

これでも、
全身に流れてくる白雪姫の命令から
抗ってんだけどな。

どんな命令?

……そのうち、従わざるを得なくなる

ずっと、最期は従って来たしな


その時に、分かるってことで

9歩目…絶対的存在と、その眷属

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