また、何処かに行く?

――だから?

はやく、見つかるといいね

わたしの、売り先……

――行ってくる

あの少女は、宿屋で保護している状態だ

一言も会話をせずに、ただ、食事を与えるだけ。



どのような印象を受けているか
それはわからない。




しかし、
悪役に簡単になれる位置だと
自負している


遅かったな

気晴らししてから来たからね

実際、出掛けているのは
ゴーストの依頼を遂行する為、



それと、悪役になる為の
芝居の稽古だと言うのだから、

笑ってしまう話だ

お前、
何をしようとしている……?

邪魔、シナイデクレマスカー?

ほー……

一旦、稽古止めてくれ

ほんとうに、
お前、棒読みだな…?

悪者ってどう言う口調なのか、
さっぱりだから

お前のお父様を真似すれば、

言うねぇ?

でも、俺にとって、お父様は、
お父様で大切な人だ

本当に頭悪いな!?
あと気持ち悪いぞ!?

あ、その身体には慣れた?

身長どころか、
外見まるごと変わったではないか

こっちの方が、
説得力ありそうな雰囲気だから

身勝手な奴め

終わったら、元に戻すから

馬鹿め。

終わると同時に、

しばらく姿を現せないだろう?

―――さあ

なんせ、「悪役」なんだからな

でも、
それで君と、
傍にいてくれる人が出来るのなら

こんな鉛と、一緒な生活より、
きっと充実するはずなんだ

――――煩い

―――何とでも

私だって、決めたことだ

お前が、
それが良いなら、
そうしてやる

さようなら、ガラクタ

まだ、早いですよ

盗むは、花より毒の蜂⑪

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