と、続くと思った?

はい?

ごめん☆
続かないよ

そろそろ殺意しか覚えなくなってきました

ま、詰まらないだろうし

その話に、姫様がいるのなら楽しいです

……わぁ、ブレない

さて、話を続けてください

仕方ないなあ

ただし、俺の昔話だけだと
割に合わないと思わない?

いいえ

わぁ、即答☆

ええ、早く姫様下さい

あげない

聞こえません、姫様下さい

聞こえてるだろそれ

……なら、これで。

きっと君が覚えていないだろう、君の話だ

言って良いのか、分からないけれど

もう時効だと思うし

ゴースト、変なことに付き合わせてごめんね

本当だ!

どうやって、お前から、その子を救うフリをすればいい!?

お前が、人をさらうだなんて
ミイラがミイラ取りだぞ……?

――何処にいても変わらない
言葉が、癪に触って

この世は、地獄だ。

けれど、天国にする為に足掻けば、
天国になるぞ、絶対!

でも、私と接触すると死ぬから
地獄だな!?どうしよう!?

そこはご安心を

安心できるか!?

俺の両目と心臓を持ってる子だ


だから、呪いを受けない
安心安全でございます

――――言いたくはないが、

はい、俺のせいです。
お父様と俺のせい

錬金術や魔術を駆使して
寿命を延ばすことに
副作用起こるのは、ほぼ必然

生き延びたから、悲しんでいる。

お父様のしたかった人助けって、
一体、何だったんだろうね?

どんなやり方であれ、
人の命を救おうとした、

――それだけは偉大だと思うぞ?

正直、それで救われるなら
私も手を出してしまう

惜しい人を殺したものだ!

あっ、いや、そんなつもりは…

分かってる、ゴーストジョークだ

あれは、禁忌だ。
それに、友達の心臓を使って
生きようなんて考えていないさ

一応、本当に、そうなら、俺は大丈夫。
ゴーストの役に立てるのなら

ただ、その子と同様に根本が解決しないから
意味がないんだ

あぁ、そうだった

とりあえず、
その子の詳細を聞こうじゃないか

なら、出会いから――

――此処、ですかね…?

!!

……来たぞ!!

あ、あの……!!

ほんとうに、あなたが、両目を
くれたから、生きてこれた…!

!!

俺は、ただ目を抉って、
心臓を渡しただけ

君と、俺のお父さんが、頑張ったんだ

ありがとうございます…!!
本当にありがとうございます!!

言われもありませんで

――しかし、折り入ってお話が――

―――――貴方も、副作用、ですか

な、なにか、あったんですか

いえ、自然の理に反しておりますので
それに対して、苦情が多くてですね

お断りしますが、どうぞ聞きましょう

は?

貴方達のせいで、娘は助かったんだ!!奇妙な伝染病にかかっていたのに!!助かってしまったんだ!!

助けてくれと言ったのは、
貴方だそうですが

確かに娘は助かった!!
だが、娘の友だちに移って病気は移り続け、村は壊滅したんだよ!!

だから、この静かな森に追いやられた。
一生俺たちは――

あのー

どうしたんだよ!?

――後ろ

――――お父さん?

あ、ああ……違うんだ、違う……

――――

ああ、バレてしまっては仕方がない

こどもの君には
聞かせたくなかったのですがね

多額の治療費請求、
――大人の、お話です。

え!?

は!?

い、いくら何でも、そんな誤魔化し――

で・す・よ・ね、お父様

あ、ああ……。

なんでそんなことするの!?

おや、契約書は読まれましたか?

おい、ここにはそんな事――

よめない……。

なんて、書いてあるの?

成功報酬は一ヶ月後に徴収

!!

救われたのは私!!

身代金なんてなくていいから
私でも攫えばいいじゃない!!

おっと、そう来たか。

いやはや、想定外だ

でも、誠意を買って、
その方法でも致し方なく
了承しようか

わ、分かった……。
娘は……いや、でも、大切な…

―――――

お父さん……

……仕方ないですね。

貴方の良心に誓って、料金の引き下げを――

でも、それで、自由になれるなら、
娘を連れ――

―――――そうですか

卑怯な言い方をする。
誰が、自由に……なれるなら?

……もういい

いいよ。
やめてあげて

!?

!?

……私、これ以上、お父さんに迷惑かけれないもんね。

今まで、ほんとうに、ありがとう。

それに、ほんとうに悩んでくれたの知ってるよ
だから、つらいんだよね。ありがとう

あ、いや、俺こそ、ごめん……本当に、好きなのに、怖くて、俺……俺…

こ、こわい……?

もう、大丈夫だから

助けてくれたお兄さん

地獄に落としたお兄さんみたいになってるけどな

いいよ。連れてって。
地獄の果てでも、私だけなら連れてって

私、元々から居場所がないようなもの

だから、
どこでも――変わらない

何処でも地獄……?

それはちょっと聞き捨てならない

良いでしょう。

連れてってあげましょう「地獄」へ
どうぞ、どうぞ、「地獄」へ

ああ……ああ……

そ、それなら、俺が………!!

…………!!!

貴方、お父さんなんですね。

あ、ああああ当たり前だろう!?

ですが――

だからこそ、
大切な、娘様、お預かりいたします

ほら、御膳立ては完璧

何がだ!?
お前、そうとう傷付けられてないか!?

え?

お前だって、
被害者なことをもっと理解しろ!!

………ありがとう

でも、『姫様万歳作戦』は変えないから

ちゃんと、冷たい青年やるから
ちゃんと救うフリしてよ?

俺は死なないんだから、
思いっきり撲殺する勢いで♪

それは、いやだ

俺は、意地でも成功させたい

……いやだ

また、友人が傷付くのは、いやだ

泣くようなこと!?

別に、傷付いてもすぐ治るから!

でも、頼みなら、頑張る…!
でも、一週間待って……うぅ…

もし、無理なら別の方法――

うるざいぃぃぃ!!
わだじに、ふがのう、など、ないぃぃぃ…!

いつか、この報復はしてやるんだからな…!!

……うん。

少し気が進まないけど、
やる気なら、お願いしようかな

あ。
身長大きくなる魔薬ぐらいなら
調合できるけど、使う?

ひぐっ……つ、使うぅ……つかうぅ…

即答なら、元気だ。

良かった、よかった

盗むは、花より毒の蜂⑨

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