おやすみ、私の神様。

私の毎日は、彼の優しい笑顔が終わる。

はい。おやすみなさい
お父様

彼の瞳に映る私の目は、
穏やかで従順。


まだ、焦れる理想としてやっていける





――確認完了




まだ正常だ


まだ理想だ

これも毎回のこと

瞼を閉じる瞬間、注射器が見え、
痛みが走って、眠りに落ちていく





どうして注射をするのか聞きはしない



聞くことを、
彼は嫌がるのだ



それなら、私は聞かない。
聞いてはならない。

それが彼のしあわせだ。

……ごほっ

そして、朝起きたら、
身体全身の痛みに襲われる。


毎日、毎日、知らない間に切り傷と縫い跡が増える


それも、しあわせの一つだ


これが何なのか分からないが、

切り傷が増える度に

君は命を救った

と彼は呟くのだ
私が役に立ったのなら、それは良い事だ


そうやって、私の毎日が始まっていく――

始まっていく――はず、だった

盗むは、花より毒の蜂⑥

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