――××日後
――××日後
――どうして身体に異常がないのですか。
あっ、今更?
仕方なく、
貴方への呪いは抑えてはいますが、
流石に此処までとなると異常です。
その鈍感さも、ちょっと異常かな。
3日過ぎたぐらいに言うかと思ってたんだけど。
―――――
♪
憎たらしいですね
それほどでも?
これ以上があるのですか…?
やめて頂きたく
さて、普通ならば貴方は死んでいる
うん。話戻してきたな
つまり、
――つまり、
私が普通の人間に――
思った以上に、この城って攻略簡単なんじゃ……
普通になれた喜びに水差さないで下さい
ぐ、……あ、あああ、眼がっ、ご……え…が……っ、ぁ……
―――――わあ、普通
……………………………………。
元気出して♪
貶さないで頂きく
普通、に、なれた、と思ったのに
傷口に塩塗るけど、
普通って言うのは、先天的なものだから
ならば貴方、何者ですか?
見て分かる通り、曲者です♪
それに、毎日毎日毎日……飽きないのですか?
商い、ですから♪
そろそろ殺して良いですか
分かったから、怒らないで。
このような事で、怒ってなどいませんが
まあ、じらすのもこれぐらいにして
ちゃんと種も仕掛けも明かそうか
しが、ないんだ
はい、説明おわり
分かり難い。
もう少し、丁寧にお願いします。
おや、これでは足りませんかお客様?
し、が、な、い、偽善者って、
初めて会った時に言ったんだけど
覚えてる?
覚えてませんが。
ですよね♪
ですよね。
それでは、解説を求めます。
ごもっともで。
ですが、死がない、ですか。
本当にそれだけだけどな
そんな人間知りません。
いるのであれば、私を殺しに来てるはず
確かに、その界隈では
有名な殺し屋らしいからね、番人さん
殺し屋ではなく、番人です。
そうだよ、番人さんは番人だ
そうです。守り人です。
そうだね、守り人だった。
馬鹿にしてますか
俺が馬鹿にする時は、
もっと分かり易いよ
では、何をしていますか。
会話しています。
……では、会話の続きを
貴方は何者なのですか。
機械人形…――が一番近い表現だな
人の形をした機械とか、人形とかみたいなの。
分かりません。
結構前に流行らなかった?
錬金術師が、自身で神様を創る運動。
外の世界など知らないです。
あっ、そうだった! 守り人だった!
馬鹿にしてます?
ご明察で♪
もういいです。続けて下さい。
……無関心って結構堪えるから
やりました
やられました
続きだけど。
その運動の内容が、
人工的に感情を創りあげて、
それを機械に入れ込むこと
それは無理です。
そう、無理だ。
そう思ってることを押し通すのが
錬金術師とか魔法使いって呼ばれる
胡散臭い人々なんだよ。
結果、貴方には感情はあるのですか…?
その問いは必要?
これで、俺がある、と言おうと、ないと言おうと証明にはならないけど。
……何だか、苛立っていますか。
うん♪
俺は俺という存在が嫌いで、
その説明をするのも嫌いなんだ。
ならば、何故、生きているのですか?
拾われたから。
誰にですか。
君の最愛の――
姫様――、ですか。
そう。君の姫様。
そして、通り過ぎた者の命を奪う怪人
――怪盗ゴーストに、拾われたんだ