サビオ

おー! レウコンちゃん!
どないしたん?

レウコン

…………

サビオ

メランちゃんのこと心配してわざわざ来たん?
二日酔いで頭痛が痛いんやて!

メラン

“頭が痛い”か“頭痛が酷い”じゃないですか……?

レウコン

……大丈夫か?

サビオ

出来ればすぐ出てって欲しいんやけど

レウコン

そんなに酷いのか?

サビオ

……場所を変えよう。
頭痛に響くといけないから

サビオ

……メランちゃんと喧嘩でもした?

レウコン


いや? してないが?

サビオ

今日は誰にも会いたくないって言ってた。
ボクは二日酔いが酷いからって薬持ってきたけど……何か知らない?

レウコン

…………

サビオ

知らないなら知らないでいいよ。
その代わり、さっさと出てってもらえると助かるかな?

サビオ

ボクは王室魔術師だからね。
非公式でも王子は王子だ

レウコン

……昨日、あいつの母親とよく似た士官候補生が第一騎士団に配属になった

サビオ

そうなの……?

レウコン

色々、思うところがあるんだろう。
オレがルーチェを襲うんじゃないか、なんて言い出す始末だったしな

サビオ

あれ? レウコンは襲わないの?
好きな人とソックリなんだろう?

レウコン

……似てるだけの別人だろ?

サビオ

なるほどなるほど。
レウコンちゃんは分かってるみたいやね

サビオ

……けど、自分の母親が死んだと一言伝えられただけの王子様は……どうしても母親と重ねてしまうんだろうね。
また母親をキミやレグルスに取られてしまわないかと不安なんじゃないかな?

レウコン

最初こそ見間違えたが、オレにそんなつもりはないんだけどな

レウコン

あいつがどういう目でルーチェを見てるとかは知らないが、好きなのであれば応援したいし

サビオ

そうなん?
ボク的には“士官候補生なんかにメランは渡さない!”ってほうが面白いんやけどね

レウコン

……あいつが聞いたら怒るぞ?

サビオ

そうかもしれないけど……でもキミはどうなの? あの子のことどう思ってるわけ?

レウコン

……それは、どっちの意味でだ?

サビオ

せっかくだからどっちも

レウコン

“メラン”は友人だと思ってる

サビオ

うん。それで?

レウコン

……

サビオ

!?

メラン

…………

サビオ

どうかした?
大丈夫!?

メラン

……別に、ちょっと手を滑らせてコップを割ってしまっただけです

レウコン

…………

メラン

うん?
お前まだいたの?

レウコン

いたらマズイのか?

メラン

マズくはないけど、気分は良くないかな

レウコン

……片付ける。
下がってろ

メラン

子供扱いするな!

レウコン

そんなつもりはない。
具合悪いのにさらに怪我をしたら大変だろうと思っただけだ

メラン

余計なお世話だ!

サビオ

とりあえず落ち着こう?
無用な喧嘩で体力消費することはないよ

メラン

オレは落ち着いてますよ。
こいつにちょっとイラついただけです

レウコン

…………

メラン

お前がそう言うなら片付けは任せる。
それが終わったらすぐ出ていけ、レウコン第二騎士団長

レウコン

片付けはするが、出ていくのは断る

メラン

お前、いい加減にしろよ!?

レウコン

お前こそいい加減にしろッ!!

メラン

…………

レウコン

オレがお前に対して怒らないと思うなよ?
大抵のことはスルーできるが、オレにだって我慢の限界がある

レウコン

体調が悪いならそれでいい。悩みたければ好きなだけ悩めばいい。
だが、そんな小さいことを隠したいがために自分の立場を利用して相手を黙らせようとするな!

メラン

…………

レウコン

それと、オレは“第二騎士団長”でも“ソル王子専属親衛隊員”でもない立場でここにいるつもりだ。
何を命令されても聞く気はない

メラン

…………

メラン

……今、なんて言った?

レウコン

……どこだ?

サビオ

“王子専属親衛隊員”のとこやね!

メラン

…………。
何でオレの名前知ってるわけ?

レウコン


逆にどうして知らないと思ってたんだ?

メラン

…………

レウコン

……変なところ抜けてるよなお前

メラン

だってお前……人のこと覚えないし、オレのことだって騎士になるまで忘れてたんじゃないの?
名前なんて完全に忘れても全然おかしくないだろお前の場合

レウコン

正直お前のことは忘れてたが──

サビオ

忘れてたんかい!

レウコン

……思い出したからいいだろ。
名前変えてたから大変だったが

レウコン

とりあえず、割れたものを片付ける。
話はそれからでいいだろ

メラン

…………

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