10.嵐の記憶

~13年前~

時和 嵐

お、涙!!

霧雨 涙

あー!!嵐君!
待っていてくれたんだぁ。

 僕と涙は一番の親友。
 家も隣で、いつも遊んでいる。

霧雨 涙

今日はどこで遊ぶの?

時和 嵐

いつもの公園だ。
今日は”お茶会”があるんだって!

 毎月一度に公園で開かれる”お茶会”。
 大人は来ちゃ行けないんだそうだ。

霧雨 涙

わあっ!!また、ウサギさんに会えるんだね!

 僕は涙の笑顔が一番何より大好きだった。

黒仮面

ようこそ、招待状はお持ちかな?坊ちゃまとお嬢様。

時和 嵐

招待状ってこれのこと?

 小石が招待状らしく、僕は涙の分の小石も見せた。

黒仮面

っ!!?
この石は…はい、確かにご確認致しました。坊ちゃまとお嬢様、どうぞこちらへ。

時和 嵐

うわあ…今回また、増えている。

帽子屋

やあ、ようこそ、我がお茶会へ!
お好きなお菓子いーっぱい食べていってね。

 帽子屋。お茶会を開いた張本人。
 帽子屋は毎月一度お茶会を開き、お菓子をいっぱいくれる。

ウサギ

だからといってお菓子を食べ過ぎたら…。

ウサギ

ネバーランドに連れてかれるぞ♪

霧雨 涙

わああっ!!ウサギさんだぁ!会いたかったんだよ♪

 涙の大好きなウサギ。
 身長は僕らと同じだ。
 しゃべるウサギってすごいなと僕は毎回思っている。

 …ちなみに”ネバーランド”とは
 どうやら、お菓子を食べ過ぎると連れて行かれるらしい。

 先月もお菓子を食べ過ぎた子がいた。
 …その翌日、その子はいなくなってしまったんだ。

 皆、こう噂をした。
 ”ネバーランド”に連れて行かれたんだって。

時和 嵐

さぁてと、何食べようかな。

 その時だった。

 …何か鈍い音がした。

 -続く

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