来たよ。

帰れ

約束はしてたはずだけどな?

では、お帰り下さいませ

ねぇ、お――

帰って下さい

あー、あー、姫様ってどんな人?

――――――――っ

……それは、とても冷たくて……

周りの人間が大嫌いだと言うのに、
言う度に自分で傷付いて、
寂しそうで、眼が離せない御方で――

でも、私といる時は、笑顔を見せてくれるのです

……だから…私は……

そっか!良い人だね!

生返事なら、
返事しないで戴きたく

だいたい、
貴方に姫様の何が分かるのですか

ある程度なら分か――

あっ、らないね

全然、これっぽっちも

……貴方、何か知っていますか。

いやいやいやぁ、何も知らないよ!

ならば、口を縫合してやる

あっ、いいんだ?

ちょっとは知ってるけど

―――本当に、私の知らない姫様を知っているのですか…?

それなら――

調べればいいよ

とりあえず、
殺して、身包み剥がせば良いですか?

良いけど、死人にも口はないよ?

これから、君に会いに来る。

俺の言葉から、
本当にお姫様を知っているか
どうか推理すればいい。

良いでしょう。

貴方が
どれだけ我が主の事を知らないか
……篤と、篤と。

……待ってください!?

今、また会うと…!?

良いでしょう、頂きました。

いえ、良くないです。帰れ

本日は帰ります。

違う

おや、帰って欲しくないのですか?

違う、帰れ。

では、また。

次の日――

それで、姫様が、ですね…!

あー、うん。そうだね。

姫様が、姫様で、姫様と…。

そ、そうだね……。

――その次の日

姫様ですけど、姫様で姫様が――

それで姫様で姫様で姫様、姫様なのかな?

ふざけていますか。

理不尽を強いられている

一週間後――

それで!ですね!私は!本当に感謝しているのです!
私は!これからも、姫様の元にいます。
沢山の騒音を間引きます!それが私の居場所。私の使命……。

姫様の為なら、死ねる?

はい、喜んで…!

だろうね

姫様の願いは、君の願い?

無論です!
その為なら何でも致します!

楽しくないなぁ、お互いに

そうです
私にとって、彼女は全てなのです。

私のような、悪魔と話してくれる――それだけで、十分だったのです。

ところで――
姫様に謁見したのは、何日前?

そうですね――

三か月前ぐらい――ですかね?

五か月おきに会いに来て下さるので!

そっか

――――

貴重なお話をありがとうございました

いえ、姫様のお話しならば――

―――――

やはり、姫様狙いでしたか

安定の思考回路だねっ♪

――ゴーストが、ゴーストになった

確認していないから、飽くまで、だけど
もし、本当なら――

ゴーストは、悲劇でも好きなのか?

ねぇ、番人さん。
姫様は最低な奴だ。
そう思わないか?

ゴーストの、姫様のいない世界に、

「しあわせ」を見出せる程、
俺達は楽しい人間になれるわけないよね

盗むは、花より毒の蜂③

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