教室の中でみんなに見えないように笑った悠美を見て、彼女に恐怖した。
失礼な話だけど悠美は、あたしの相手にはならないと思っていた。
自分よりも何もかも劣っていた悠美。
優っているのはコミュニケーション能力だけ。
それだって、そんなに差はないと思っていた。
なのに。
この状況はあたしのミスだ。
自分や環境に甘えてしまったあたしのミス。
牧だって、千裕だって、それなりに注意を促していたのに、傲慢にも、あたしは悠美を見誤っていた。
見誤った結果がこれだ。
悠美は、第一に警戒して、警戒をし続けなければいけない、そんな女だった。