――遠い未来の。



――遠い星で。



――それは始まっていた。














これは



ミナミがアストロアイドルを



始める前のお話。



















































* アストロアイドルステーション *
中心区
























AIステーションでもっとも賑わう



この中心区には



様々な学術施設が立ち並ぶ。















そして、



その施設のうちの一つであり、



このステーションが存在する



最たる理由でもある施設。



それがこの……。























* アストロアイドル *
アカデミー
















てくてく


てくてく 


てくてく


 てくてく


てくてく





ミナミ

ここが
アストロアイドルアカデミーね。

ナギ

そうだよ、ミナミ。
どうだい、アカデミーを前にした感想は?

ミナミ

ズイブンと荘厳な家構えね……。

ナギ

そりゃそうさ。
ここには、アストロアイドルと臨床R-クローン学の知識が全て集まっていると言っても過言ではないからね。

ミナミ

へ……へぇ〜

ナギ

さあ、ミナミ。
今日から頑張って
ここでアストロアイドルの勉強をするんだよ。

ミナミ

うぅ……頭が……痛い……。

ナギ

どうしたんだい、ミナミ?
大丈夫か?

ミナミ

勉強という単語を聞くと、脳が拒絶反応している気がするのだ。

ナギ

ミ・ナ・ミ・ィ?

ミナミ

てへぺろ〜

ミナミ

じゃあ、行ってくるね、ナギお兄ちゃん。

ナギ

行ってらっしゃい。

ミナミ

お夕飯は木星見団子のフルコースにしてね!

ナギ

ああ、わかったよ。




校舎へと向かう


少女の背中を見送るナギ。


その眼差しはどこか物悲しげだ。


ナギ

……。

ナギ

木星見団子の
フルコースゥ!?



































































第1話 入学の日










































ミナミ

えーっと、ミナミの席はどこかしら。……。

???

!!!

ミナミ

それにしても、随分見晴らしがいい教室なのだ。

???

何だ貴様は?

ミナミ

机の一つも無いとは……。
さっそく事件のニオイがするわね。

???

答えろ!
貴様は何者だ!?

ミナミ

む、容疑者発見!

ミナミ

名乗るほどのものではない!

ミナミ

ミナミだ!

???

……名乗ってるじゃないか。

ミナミ

犯人はこの中にいる!

???

ハァ?

ミナミ

えーと……。

ミナミ

アナタ、お名前は?

???

名前を聞いておいて
名乗らんわけにはいかんな。

ライア

私の名はライアだ。
未来のトップアストロアイドルだ。

ミナミ

ライアって言うのね?

ライア

ああ。

ライア

で、ミナミとやら。
なぜ貴様はここに来たのだ?

ミナミ

愚問!

ライア

む?

ミナミ

ミナミはトップアストロアイドルになるため、ここに来たのだ!

ライア

なるほど……。
では、私のライバルというわけだな。

ミナミ

しかし、それもここまで。

ライア

ハァ?

ミナミ

ライアはここで脱落してしまうのだ。

ライア

一体何を言っているんだ?
ミナミとやらは。

ミナミ

教室の机を全て消した犯の
容疑者ライア!
逮捕する!!

ライア

な、なんだとぉ!!!

ドタバタ!  ドタバタ!

ミナミ

容疑者確保ォ!

ライア

クッ……
こんなところで捕まるわけには……








ミナミ

なんでやったのだ?
正直に吐くのだ!

ライア

……それが……。
私にも良く分からず……。
私がここへ来た時には
既に机は無かったのだ……。

ミナミ

……え?

ライア

頼む、信じてくれ。

ミナミ

それは悪かったのだ。
これは誤認逮捕なのだ。

ライア

……ありがとう……。
信じてくれて……。

ミナミ

当然なのだ。

ライア

……とでも言うと思うか!!!

ミナミ

な……。

ライア

なぜ私が貴様などに
逮捕されなければならんのだ!!!

ミナミ

そりゃ当然!

ライア

この鬱憤、はらさでおくべきか!

ミナミ

受けて立つ!





ミナミ

む!

ライア

この!

ミナミ

どうだ!

ライア

まだまだぁ!!






















ライア

……なかなか……
…やるじゃ…ないか……
ミナミ……。

ミナミ

ライアも強いのだ。
こんな強い娘は初めてなのだ。

ライア

今日のところは……
これで勘弁してやる。

ミナミ

それはこっちの台詞なのだ。

ライア

また明日会おう。
そして、今度こそ決着をつけよう。

ミナミ

わかったのだ。
望むところなのだ。






ライア

ふふふ……

ミナミ

ふふふ……




















ライア

すっかり日が暮れてしまったな。

ミナミ

そうね。

ライア

帰るとするか。
じゃあな、ミナミ。

ミナミ

また明日なのだ、ライア!












ライア

しかし、なぜ他の生徒は教室に来なかったのだ?まさか、我々二人しか生徒がいないのか?





















こうして、



ライバルとなる二人は



出会ったのだった。


























ナギ

はい。
はい。
はい、スミマセン。

ナギ

ミナミが
初日からバックレとは……。














……ナギの心配をよそに。



























































【ミ・ナ・ミ☆ザ・ビギニング】入学の日

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