勝手に出ていって
数か月間
連絡もせずに

かと思えば
ボロぞうきんのようになって
帰ってきた私に

母は、

どんな反応をするのか
とても怖かった

電話口で震えながら
『迎えに行きます。』と
言った父は

どんな顔をしているのか
とても怖かった

しかし、
迎えにきた父は

とだけ。

道中の車の中でも
私が失踪した事について
全く触れず

『お前は心配しなくていい』
それだけ。

何も言いませんでした。

申し訳なくて
情けなくて
胸が痛み、

謝るべきだったのに
窓の外の流れる景色を
ただ見ているのが
精一杯で。

自宅に到着すると
母は料理をしていて

小さく『ただいま』と
声をかけると
振り向かずに
『おかえり』と
小さく返って来ます。

おじいちゃんも
おばあちゃんも
妹も。

おかえりとしか
言いませんでした

張り裂けそうでした。

言うべき言葉が
出てこない

言わなきゃならない言葉が
音になりません

それでも
誰も私を責めないのです

その理由を私は
知っています

知っている筈なのに・・・

どうして
まだ何ひとつ
信じられないのか

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