悲痛!心奥の呼び声!
[後編]






























ナギ

な……なんだこの光景は……。











周泰

Wow!Wow!イメフロ!

浦津 修

Wow!Wow!イメフロ!

玲音

Wow!Wow!イメフロ!





ナギ

イメフロのサポートをするように言われてきてみれば……。

ナギ

誰ひとりとして、自らの意志で応援していない……。

ナギ

ナンバーズのゲオライト調整は
イメフロに任せるだって……?

ナギ

こんなのは……
こんなのは……
クローンの明るい未来
なんかじゃない……!!

ナギ

この先にあるのは地獄だ!

キャシー

ナギ……。




















エマ・小石川

言いたいことはそれだけかしら?

エマ・小石川

好き放題言ってくれた
アナタには、特別に
新しいエンジェリック・ヴォイスを刺してあげるわ。

嘉義 経次郎

ダメだ!
逃げろ!慶子!

ケイ

ゴメン、経次郎……。
……動けないの。

エマ・小石川

ナンバーズでさえも
全てのゲオライトを抜き取る
この声技……。

エマ・小石川

行くわよ―!












待ちなさい!!












エマ・小石川

!!!

ケイ

!!!

ライア

!!!

















ケイ

あ……

ナツ

あれは!






人の心を縛り付け、

楽しい時間を強奪し、

貴方の主観を強要する!

お代官様が許しても、この私が許しません!







ミナミ

ソウルパニッシャー☆ミナミ参上!







ケイ

ミナミちゃん!!!

ナツ

ミナミちゃんだ!!!

ライア

自我が
戻ったのか!?
ミナミ!!

ミナミ…?

杏都 マリ

ミナミちゃん……?

小田 信永

ミナミちゃんだ!

ジョン

ミナミちゃんだァァ!!















ミナミ

みんなー!
待たせてごめんねー!!

エマ・小石川

たった一声で
会場の空気を変えるその力……

エマ・小石川

やっぱり、アナタだけは別格ね。









ミナミ

さて……。

ミナミ

そこの盗人浮世絵クローン!
応援(おしおき?)の時間よ!

エマ・小石川

ミナミちゃん、嬉しいわぁ……。
また、あなたのゲオライトを
いただけるなんて。

エマ・小石川

……あら?

エマ・小石川

やだぁ……。
エンジェリック・ヴォイスの棘が
抜けちゃったみたいねぇ。

エマ・小石川

もう一回、
刺してア・ゲ・ル!

エマ・小石川

特大のぶっといやつをね♪

エマ・小石川

すぅぅぅぅ……




そう言うと、エマ・小石川は


ひときわ大きな息継ぎを始めた。



















ミナミ

来る…!

ミナミ

チェーンジ・アークパニーッシュ!

ソリッドヴォイス・オン・サイレントダークネス!
































エマ・小石川

スパイク・
エンジェリック・
ヴォイス!!








波動砲のような


エンジェリック・ヴォイスが


ミナミを襲う。
















































ミナミ

効かぬ!








エマ・小石川

な!?

エマ・小石川

き、効いていないですって!?
1点集中したエンジェリック・ヴォイスなのに!?






ミナミ

スッ




ミナミ

あなたの歌はもう効かないわ!






ミナミ

行くよ、みんな!

ナツ

うん!

ケイ

まかせて!

ライア

仕方ないな……





ミナミ

『Believe
   Youself!』
















ミナミ

♪〜〜〜♪♪〜〜

ライア

♪〜〜〜♪♪〜〜

ケイ

♪〜〜〜♪♪〜〜

ナツ

♪〜〜〜♪♪〜〜








ミ・ナ・ミ!

杏都 マリ

ミ・ナ・ミ!

小田 信永

ミ・ナ・ミ!

ジョン

ミ・ナ・ミ!











ナギ

キャシー……。

キャシー

どうしたノ、ナギ。

ナギ

人間は食事をしないと
生命を維持できない。

それは不幸だと思うかい?

キャシー

いえ、そんな事はないワ。
だって、世の中には色々な美味しいものがあるじゃない。

それを食べるのは人生の楽しみの一つだワ。

ナギ

ああ、僕もそう思う。





ナギ

クローンにとって、ゲオライトは
食事と似ていると思うんだ。

ナギ

みてくれ、キャシー。
ミナミの歌を聞いている人々の顔を。

















小田 信永

ミ・ナ・ミ!

小田 信永

ミ・ナ・ミ!

キャシー

さっきまでとは打って変わって
みんな幸せそうだワ。

ナギ

お母様の言っていた事はもっともだよ。
不幸なクローンを1人も生み出したくないのは僕も同じ気持だ。

ナギ

確かにゲオライトランキングは、
R-クローンを救う回避策として産まれた、A4Zの産物だ。

ナギ

けど、僕は
このキラキラと煌く
彼らの場所を
もっと尊重したいんだ。

ナギ

何より、僕は
ミナミの歌を
もっと聞いていたい。

キャシー

わかるワ、ナギ。











エマ・小石川

……やめて

エマ・小石川

やめてやめてやめてやめて!

エマ・小石川

もう、ひとりはイヤ!!

ノース・北葛飾

お嬢!

エマ・小石川

私が奪ったファンは、みんな私のファンよ!

奪わないで!!!






















ミナミ

アナタなら、奪わなくてもファンは増えるわ!

ケイ

ソーー

ナツ

ーウル

ミナミ

パニーーーーッシュ!

エマ・小石川

いやぁ〜ん!










ノース・北葛飾

もういいだろ、お嬢。

ヘヴィ・歌広場

安心しろ。
いつだって俺達がついてる。

エマ・小石川

私は……
何かを奪い続けないと、
全てが無くなると思っていた……。

エマ・小石川

……でも違ったみたい。

エマ・小石川

私の負けね……。





















ゼア

ミナミ!
何かが近づいているぞ!

ミナミ

え?









所詮、クローンはクローン。
使い捨てといったところか?






ミナミ

だれ!?





……8年前。

ゼウス環境プロジェクトの開始とともに、その先を見越して偉人遺伝子を臨床試験に用いた一人の天才がいた。






エマ・小石川

……でたな……。







さらにその天才は、
いち早くA-クローンのプロトタイプを完成させ、支配力を求めて『ヴァレンティーノ公』の遺伝子を自らに投与した。

ナギ

ヴォ……ヴォルジアさん?






ヴォルジア

そして、臨床試験の際に【ZeR0】の一人として作り出された偉人。
それが……。

エマ・小石川

……この私よ。
このゲスは人の遺伝子で遊び腐りやがって……。

ゼア

なるほど!
だから【ZeR0】なのに
偉人遺伝子を持つのか!

ヴォルジア

歌え、エマ。
俺がやめていい、と言うまでな。

エマ・小石川

もう、お断りよ。

ヴォルジア

なに?

エマ・小石川

私のオリジナルは自分の豪快な散り際で、人々の心を奪って満足していたんだ!

エマ・小石川

アンタの道具になるために
存在したんじゃない!

エマ・小石川

……私は……
私の意思でゲオライトを奪うし、
私の意思でファンを奪うだけだ!

ミナミ

頑張れ!エマちゃん!

ヴォルジア

フン、この役立たずが……!

ヴォルジア

まあいい。
ただの実験体が予想以上に役立っていただけ。

貴様はもはや不要だ!

ヴォルジア

そこの
【ZeR0】共々
ただの人形と化すがいい!




























伊佐 小夜子

ヴォルジア……。
事を急ぎたいのはわかるけど、臨床試験に血縁者以外の遺伝子を参加させてはダメよ。

あなたが責任取れないでしょ?

ヴォルジア

責任なら……。
私が責任を持って『廃棄』いたします。

伊佐 小夜子

ヴォルジア!

ヴォルジア

!!

伊佐 小夜子

例えクローンと言えども、
その命の重さは我々の命と変わらないわ。

それがわからない以上、
プロジェクトの開発チームに置くことはできないわ。

ヴォルジア

伊佐先生!

伊佐 小夜子

しばらく秘書として私の側にいなさい。
そして、私の求める物を学びなさい。




















ヴォルジア

この下らぬ馴れ合いの世界……
真の創造主が自ら幕引きし、
新たに作り変えてくれるわ!!

小西

おい、もうやめろ、坊や!
意味がない!

ナギ

小西さん!

ヴォルジア

来い!
ロキ!
セイレーン!







ヴォルジア

……。





ヴォルジア

全ての者よ!
破壊の神の力と
魔性の歌声で
全てが我が手駒となれ!!











ヴォルジア

うっ……何だこれは!?

エマ・小石川

高濃度アマテラスとロキ・セイレーンの混合タブレットの味はいかがかしら?

ヴォルジア

な……なんだと?

エマ・小石川

不用心よねぇ。
大泥棒を自分の部屋に
招き入れるなんてね。

ヴォルジア

くそっ……いつのまに……

がぁぁぁ!!

ヴォルジア

ナギ

暴走しだした!!

小西

バカが……。

ゼア

マズい!
観客が大パニックだ!





我コソガ
真ノ神ナリ!

ヴォルジア












ゼア

急げ、ミナミ!
ヤツが被害を出す前に食い止めるんだ!

ミナミ

おっけー!ゼア!

エマ・小石川

ミナミちゃん、
私にもやらせて!

ミナミ

よし、一緒に行くのだ!



















ケイ

ソーー

ナツ

ーウル

ミナミ

パニーーーーッシュ!

エマ・小石川

パニーーーーッシュ!

ヴォルジア

ひよぇぇぇ










ヴォルジア

小夜子様……。

ヴォルジア

私はただ……
あなたに認めてもらいたかった……。

小西

おい、坊や。

ヴォルジア

何の用だ、CCC……。
笑いにでも来たのか……?

小西

BBAの遺言が出てきたんだよ。
弁護士立ち会いのもとで開封済みだ。

見ろ。







伊佐 小夜子

私が他界した場合、全権をヴォルジアに受け渡す。

ナギは側近としてヴォルジアを全力で補佐すること。

伊佐 小夜子

追伸:
この世界の礎ができたのは、あなたのおかげよ、ヴォルジア。
今はまだ突っ走るとこがあるけど、いつかはあなたにもわかってもらえると信じているわ。






ヴォルジア

な……なんだ……と?

小西

坊や。
あらゆる物を捨ててまで、お前が無理やり奪う必要なんて無かったんだよ。

ヴォルジア

……う……

ヴォルジア

うおぉぉぉ!!
小夜子様ぁぁぁ!!

































こうして、




ミナミ達の活躍により




クローン界を揺るがす大革命は




創造主の悲嘆の叫びと共に




その幕を閉じた。



















ゼア

あと少しだけ続くぞ。





悲痛!心奥の呼び声![後編]

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