行方をくらませた私は
2つ年上の友人が
何とか貯めたお金で契約した
離れた土地の
マンションにほぼ身一つで
転がり込んでいました。

その友人の友人も
同じく転がり込んでおり

女3人、6畳一間の中で
ひしめき合いながら
日々を過ごします。

全員定職には
ついていませんでした。

ふ・・・

お。掃除お疲れ。

洗濯もおわり?

おわりおわり。

二人ともご飯~

テレビつまんね。
ゲームやろ、ゲーム。

ちょっと~、煙草外で吸ってよ~

ゲームもう全部クリアしちゃったじゃん

今月光熱費いくら?

3人で割ると一人3000円くらいかな

毎日3人で風呂入った甲斐あったね

みんなで分担して
みんなで遊んで
みんなで節約して・・・

それぞれ
殆ど話題には
出しませんでしたが
家庭に問題があったり
人との関係が
上手くいかないもの同士。

音楽の趣味も一緒。
3人でお金を出し合って
1冊の漫画を買って

うちら家族だねと
笑い合えていました。

でも最初だけ。

また、
同じだったのです。

私たちは家族じゃない。

しかも今回は
ただたむろし
バカ笑いしていればいいだけの
夜遊びとは違います。

お金の問題が
常に付きまとうのです。

誰かが働いてくれば
それに甘える誰かがいて
それを良くは思わない誰かがいる。

家事も滞り
言い訳が多くなる。

『何故自分ばかり』
『何故あいつばかり』
『あいつがああなら
自分だって』

日々がその繰り返しに
なってくる。

何回回ってみても
私たちは誰一人
自立できるような余裕も
覚悟も甲斐性もなかった。

甘かったのです。
何もかも。

でも大腕振って
帰れるような場所も・・・

助けを求められる相手も・・・

それぞれの方法で
皆が病んでしまい

私は食べたものを全て
吐き戻すようになりました。

・・・。

・・・いい?

うん

もう、さ。マンション無理かなって・・・

・・・うん

うん・・・

やっぱりお金・・・必要?

契約書見たけど・・・良く解んない・・・
でも多分・・・

・・・最近、さ。お金の話ばっかでごめんね

仕方ないよね、、なんか私の方がごめん

その・・・大丈夫?家とか・・・

なっさんこそ大丈夫?

殺されると思う・・・

やばいじゃん・・・

やばいけど、うん・・・何も解んないしお金も・・・

そうだね・・・

私も明日電話してみる・・・

呼んでごめんね、、

来たくて来たんだよ

あーちゃんに言いづらくて・・・

・・・うん・・・

私たちのうち1人は
家族の居場所を
知らない子でした

長く家出をしていて
実家に帰った時には
もうそこに
住んでいなかったんだそうで

友達や彼の家を
点々と渡り歩いていた為
ケータイ電話も持たず
身分証明書も
ありませんでした

2人で話し合い
彼女が路頭に迷わないよう
親に頭を下げて

なんとしてでも
暫くどちらかの家に、
交代ででもと
決めましたが

彼女は
私たちの元を静かに
去って行きました

親の力を借りなければ
地元に帰るまでの
お金もなかった
私たちには

引き留める事は
出来ませんでした

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