都 大樹

ああ、向こうで

言って、僕はミヤコワスレを胸に押し当てた。

目を閉じて、記憶の中に意識を巡らせた。

そして、気付く。

都 大樹

おい、お前。もしかして!?

僕は、僕にしか見えないその女の子に向かって叫ぶ。

都 大樹

まさか、美樹ちゃん?

・・・

沈黙が僕たちを包む。

都 大樹

さっきの藤峰と黒須への言葉、君の言う通りに話したけど、よく考えればこれは全部美樹ちゃんしか知らないことだ

思えば、出会ったあの時が、全ての始まりだった。

都 大樹

君が元の世界に戻るためにもミヤコワスレが必要。だけど君を見ることが出来るのは僕しかいない。だから、僕から君に花を渡すしかない。だけど君は、今回みたいに花が足りなくなることを予想していたんじゃないか?

あの日、あの時の言葉は、この時の為だったかもしれない。

都 大樹

だから、僕にあんなことを言って、距離を取ったんだよね、美樹ちゃん?

『私はあなたの
ことが大嫌いです」

それは、僕を世界に留まらせないための、この世界に悔いを残さないための、悲しい嘘。

ばれ、ちゃったね…

都 大樹

やっぱり。だったら、僕がこの花を使って帰るわけにはいかない

そういうと思ったから、私は正体を明かさなかったんだけどな

都 大樹

でも、知ってしまったからにはほかの方法を考えるしかないよ

最善の方法は、やっぱりこのまま大樹くんが帰って、私がここに残ることだよ

都 大樹

それじゃ、僕や青葉、なにより美樹ちゃんが報われない

だったら、どうしたら…

都 大樹

もう一本のミヤコワスレを探すしか…そうだ!? もしかするとあれが残っているかもしれない!!

心当たりがあるの?

都 大樹

うん。この希望に、賭けてみよう!

僕たちは、決意を胸に、行動に移す。

* * * * *

こんにちは。ご覧頂きありがとうございます。

窮地の中に、何かの希望を見つけた都大樹くん。彼らはどこに向かうのでしょうか。

もう少しで終わる予定です。

ところで、昨日ついにTwitterにアカウントを作ってしまいました。ストリエが終わった後も、これで安心です。

「ぱりにゃん」で登録しましたので、機会があればよろしくお願いします。

それでは、今回はこの辺りで失礼します
(*- -)(*_ _)ペコリ

pagetop