…………エ

クリ………エ

クリエ……

クリエ姉……

クリ……エ

ナルシス・エーデルシュタイン

クーデターを起こすことがお前の目的というわけか、シャンブル!

シャンブル・ヤーデ

その通りだ。この権力と財力が隣り合わせの政治社会が昔から気に食わなかった。なら金のないものはどうやったところで政治に参加できない。どれだけ有能でも貧乏ならそれで終わり。随分と世知辛いと思わないか

シャンブル・ヤーデ

私がこの国のトップに立ち、CS患者で支配をする。そして、貧しい者たちに参政権を与え、新たな政治を紡ぐ。理想的だと思わないかね?

アスター・エーデルシュタイン

貧しいもの達の参政権……確かに達成できれば国のシステムがひっくり返るね

アスター・エーデルシュタイン

じゃあ、それになんで姉さんが必要になるの?逆に言えば、どうして今になって姉さんを回収したの?

シャンブル・ヤーデ

クリエ君はCSの動作確認がまず一つ。ちょうどナルシス卿がクネート・グミ孤児院解散を起こした後でホルテンジーが逮捕されたおかげでどうやって子供を得ようか迷っていたからな

シャンブル・ヤーデ

そこで、私はクリエ君の肺をCSに変えることをナルシス卿に提案した。前例がない手術だがこれしかないと勧めたらナルシス卿は飛びついたよ

ナルシス・エーデルシュタイン

…………!!

シャンブル・ヤーデ

おかげで私は図らずもエーデルシュタイン家と関りも持てた。さらに私の手の外でCS患者を創り出すことができたのだ

シャンブル・ヤーデ

そこで私は改めてCSの性能を試すことにした。貴族の宝石をクリエ君に明示し、それを盗ませることでCSの性能を測る。クリエ君には君達の病気や不随を治すための金を得られて一石二鳥というわけだ

アスター・エーデルシュタイン

つまり、アンタが怪盗シャムロックを作ったってこと?

シャンブル・ヤーデ

そのとおり!実にうまく動いてくれて私も助かったよ。なにせ今までのCS患者はみな感情を失くしてて私の言うこと以外はしようとしない。宝石を盗めと言ったら屋敷の人間を皆殺しにして持ってきそうだったからね。クリエ君ほど自我を維持した個体はそういない

シャンブル・ヤーデ

やがて、クリエ君が体内のCSと同調を始めてることに気づいた。侵食ではなく同調を、だ。そして、クリエ君が他のCS患者に干渉して暴走させたことで私は確信した

シャンブル・ヤーデ

彼女だけがCSの兵士を完全に制御できる。彼女こそが女神でありジャンヌダルクなのだと

ナルシス・エーデルシュタイン

ふざけるな!そんな目的のために私の娘を利用したのか!!

アスター・エーデルシュタイン

シャンブル、姉さんはどこ?

シャンブル・ヤーデ

彼女ならそこのシャンデリアの中だよ

アスター・エーデルシュタイン

……あのバカでかいシャンデリア?

シャンブル・ヤーデ

あれは巨大なCS患者用の培養装置さ。患者を買わない分の金を全て使って作った特注品だ

シャンブル・ヤーデ

彼女の装置の上には私が全霊で作った核となるCSがある。それとクリエ君のCSを同調させてCS兵に統一した命令を出せる。クリエ君には革命の指導者になってもらう

ナルシス・エーデルシュタイン

クリエ……

アスター・エーデルシュタイン

…………今の俺達じゃ何もできない

アスター・エーデルシュタイン

頑張ってくれ、姉さん……

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