宇宙に浮かぶ
悪の意志の塊近辺
アストロウィーク
均
衡
先 す
に る
動 ラ
き ン
を キ
見 ン
せ グ
る !
の
は
ど
こ
か
?
1. Image Floating
2. ラストプリンセス
3. ライジングサン
4. ソウルパニッシャーズ
5. トリプルサターン
:
10. モー・ブー
:
:
*******
※20位以下は未掲載
ソウルパニッシャーズは不動のトップ3の牙城を崩せるか、か。
最近、丸くなったわね……。
ソウルパニッシャーズより下なのに。
なに……。
私たちは自力でこのランキングなんだ。
他人の力を借りねば上に立てぬ奴らに目くじらたてる必要がないだけだ。
強者の余裕ってヤツね。
どことなく寂しそうだけどな。
やかましい。
EMERGENCY!
EMERGENCY!
EMERGENCY!
ハッ!!
なんだ?この音は。
全ゲオライトランカーに告ぐ。
この通信は緊急ブロードキャスト通信である。
誰それ構わず垂れ流しの通信ね。
地球各地でマッドナンバーズが大量発生を始めた。
身近な発生源に速やかに急行し対処にあたれ。
なお、このマッドナンバーズ討伐は
『ポイント対象ライブ』とする。
以上。
全ゲオライトランカーに『ポイント対象ライブ』への急行命令……。
そこへ向かえば、ライブ中の他のランカーズに鉢合わせる可能性も高いという事だな。
……これは、もしかして大逆転のチャンスじゃない?
フッ、足を止めての殴り合いになりそうだな……。
それ、私のセリフ!
……下位のヤツにやられないといいけどな。
やかましい!
対決!
ゲオライトランカーズ!
* * *
WIN州立音楽大学校近辺
* * *
……着いたか。
まだ被害はないみたいだけど、
ここがもっとも反応が高いわね……。
索敵するぞ。
気を抜くなよ。
ふふふ、腕がなるわ。
ランキング入りを狙うルーキーが
うじゃうじゃいるな……。
あれはサンフラワーね。
サンフラワー
さあ、このチャンスにランカー入りするわよ!
ええ、今日こそ下積み期間を終える!
……まだポイント対象ライブを
したことないのに……
できるかな……。
できるか、じゃないわ。
やるのよ。
絶対に輝いてみせるわ!
あっちのはRe:Bombってやつじゃない?
Re:Bomb
さー!
バンバン爆発させてくよー!
みーんな吹き飛ばす!
楽しみね~!
ルーキー達もランキング入れ替え狙いのようね。
……まったく……
最近のルーキーズは物騒だな。
強襲、強奪、連れ去り。
お前らも大概だと思うぞ。
数多のゲオライトランカーズがひしめく中、
WIN州立音楽大学校構内より
現れる一つの影。
ふふふ、いるいる……。
魔王の生贄を志願する者共が……。
さぁ、壊れてもらうぞ。
行け!!
不遇なる下僕共よ!
ヴゥン
リィーーーチ!
でたぞー!
マッドナンバーズだー!
現れたみたいね。
ヴゥン
水金地火木
土天海冥!
こっちもだー!!
なんだと?
ヴゥン
締切ィィィ!!!
まただー!!
どうなってんだー!!!
しかも、いきなり逃げたぞー!
よし、サンフラワーが貰ったぁ!!
Re:Bombだって負けないんだから!
おい、こら待てルーキーども……!
不用意に突っ込むな!
愚かなる者共よ!
我が軍門に下れ!
ヒィィィ!!
むぅりぃ〜〜〜!
マッドナンバーズ……
ナメすぎてた……
帰りたいよ〜〜
まったく……。
相手を調べず突っ込むからよ……。
いかにもルーキーって感じね。
サターン・スキャナー!
浦津 修《うらづ しゅう》
フランツ・シューベルトの第8世代クローン。
浦津 律人の双子の兄。
先天的なオリジナルの影響により、
ベートーヴェンのクローンであるルウに
強く惹かれるものの、等のルウには
酷く引かれる。
失恋のストレスと自身の存在意義を見失いマッドナンバーズ化。楽曲の世界と現実の世界の区別がつかなくなっている。
酢昆布 論《すこんぶ さとし》
クリストファー・コロンブスの
第4世代クローン。
オリジナルの海への探究心とは異なり、山に対する探究心が強い。しかし、いつの間にかその探究心は牌山ばかりに向いてしまい、麻雀に没頭するようになる。
他家からあたる時はかならず酢昆布を咥えて構えてしまうため、ダマテンが下手くそ。
そのため負けが込み、まだ若いのに借金を抱え、それが過剰なストレスとなってしまい、マッドナンバーズ化。
ステラ アダムス《すてら あだむす》
ノストラダムスの第6世代クローン。
オリジナルの影響を強く受け、占星術師として活動をする。
しかし、占いがあまり当たらないため評判が落ちて客足が遠のき路頭に迷う。
オリジナルへの強い憧れがありながら、自他共そのギャップの大きさに絶望し、ストレスを溜め込んでしまった。
獅子田 敏次《ししだ びんじ》
レオナルド・ダヴィンチの第8世代クローン。
多才なオリジナルの影響のうち、イラスト・シナリオ面を強く引き継ぎ漫画家として活動するものの、多才性を期待され続け、ストレスを溜め込んでしまった。
締切が迫ると古風な作家宜しく、よく逃げ出す。
つい先程も、編集からの締切催促の電話がかかって来て、ストレスマッハ状態に陥りマッドナンバーズ化して今なお逃走中。
どいつもこいつも
クセがありすぎね。
……これは手に余るな。
こーんな時に、颯爽と現れるのが
ヒーローだよね!
と、その時。
……この声は!?
二位のラストプリンセスが
来たぞー!
…?
ラストプリンセス
さぁ、そこの方向音痴クローン!
さっさと片付けられておしまい!
私は早く夜会に向けたおめかしをしたいのよ!
御意に。
今度はすごい雄叫び……
三位のライジングサンだー!
まぶしっ……
ライジングサン
そこの不完全燃焼根暗クローン!
さぁ、始めようぜ!
なぁ、そろそろ『ライジングツー』とかに改名しねぇ?
このグループ名だと万年三位止まりな気がするぜ。
なら、お前が抜ければデュオになるから
ランキングアップだな。
なんだとぉ!?
……ったく、世話が焼ける奴らだ。
逃げた一匹をモー・ブーは追撃しにいったぞ!
締切イヤだァァ!!
も〜〜!
ぶ〜〜!
流石にルーキーとは違うな。
やはり、前口上がないとな。
でも、また出遅れね。
なに、主役は遅れてやってくるもんさ……。
それに見ろ。
ククク……。
我々におあつらえ向きの獲物じゃないか!
そこの、脳内魔王クローン!
トリプルサターンが行くぞ!
さあ、来い!
私のセリフ!
1対1同士の戦局。
マッドナンバーズと
ゲオライトランカーズの
実力は拮抗し
お互いに決め手がないまま時が過ぎゆく。
そんな中、犬猿の仲の
ラストプリンセスと
ライジングサンは
お互いの足を引っ張り合う。
♪〜〜
うぅぅ……
キャッ……
おっと、わりぃわりぃ。
ぶつかっちまった。
きぃぃぃ……!
そっちがその気なら……。
♪♪♪〜〜!!
星が……
見えない……。
なんだっ!?
あ〜ら、ごめん遊ばせ。
私の長い足があなたの短い足に
引っかかってしまったようですわ。
あいつら……、バカか?
この状況でランキング争いしてやがる……。
ライア、危ない!
ニタリ…
ハッ!
サッ!
おいおい……。
よそ見ばかりしおって。
いつになったら始めるのだ?
うるさい!
貴様に言われずとも
今からやってやる!
その時、それは起こった。
ええい、こんなグズに関わっているヒマはないわ。
ここで決めます!
埒が明かねぇぜ!
ここは一旦
マッドナンバーズを仕留める!
エンドレス・
ナイトパーティー!
パーフェクト
サンライズ!!
渾身の必殺技をマッドナンバーズに放つ
ラストプリンセスとライジングサン。
しかし、
相反する属性の旋律がぶつかり合い
不協和音を奏でる。
なにこれ!?
まじかよ!?
それ、ロン!!
きゃあああぁー!
予言通り!
当たりじゃァァ!!
ぐわぁぁぁ!!!
ラストプリンセスと
ライジングサンがやられたぞ―!
おいおい……。
これはもしかして……。
ズイッ!
ズイッ!
ズッころばし!
三体同時に相手ね……。
……まずいな。
完遂できればランクアップ確実だが……
これでは……。
私のセリフ!!
む!
あの光は……。
もしかして……。
音楽の都を蝕む者共よ!
全員まとめて
応援(おしおき?)です!
ソウルパニッシャーズ参上!!!
ソウルパニッシャーズだー!!
いつもと違うリズムだな。
ライブからの直行です!
多勢に無勢とは卑怯なり!
助けに来ましたよ!
すまんな、ミナミ……
えーっと……
誰だっけ?
誰だったか……。
トリプルサターンのライアだ!
ここは一旦休戦して、協力してマッドナンバーズを叩くぞ。
休……戦…?
ミナミ、面倒だから
乗っかっといてやれ。
わかったー!
じゃあ、ミナミ達は
ボスっぽいのとライブするのだ!
良かろう。
この魔王が直々に
相手をしてやろう。
いや待て……、それは我々の獲物……
任せたぞ、ミナミ!
しんがりは我らが務める!
あ、えっと……
私のセリフ!
……。
……。
……コホン。
仕方ない、大技を繰り出して少しでもゲオライトを多く稼ぐぞ!
そう来なくっちゃ!
やったるで~!
グルルル……
グルルル……
まずは奴らを囲い込むぞ!
サターン・リング・フォーム!
サッ!
サッ!
マッドナンバーズを囲うように
陣形を組むトリプルサターン。
しかし……。
スッ……
スッ……
本能に忠実なマッドナンバーズは
何かを察して囲われることを嫌う。
くそッ……。
思うようにいかん……。
苦戦を強いられるライアの背後から
声をかける者の姿。
ふふふ、手伝ってあげるわよ。
誰だ!?
迷えるクローン達よ!
我が歌声に心を奪われよ。
来たぁーーー!!!
イメフロだー!!!
ふふふ、いい感じで場が温まってるわね。早速行くわよ!
ベースは
ノース・北葛飾!
オーケー、お嬢。
キーボードは
ヘヴィ・歌広場!
ラジャー!
そして、ヴォーカルはエマ・小石川でーす!
さー!どんどん行くよー!
『KA・BU・KI』
ア…ア…ア…ァ…
ア…ア…ア…ァ…
くっ……!
すごいビートだ……。
フィニッシュだ、お嬢。
決めてこい。
OK、Guys!
ひときわ大きなブレスをするエマ。
エンジェリック
ヴォイス!
どーん
さすがイメフロだー!瞬殺だー!
ごめんなさい、こっちも貰っちゃうわ!
お……おい、待て!!!
エンジェリック
ヴォイス!
どーん!
いっただきぃー!
え……。
\チクッ/
痛っ……。
どうしたの?ミナミちゃん。
ううん……。
なんか胸のあたりがちょっと
チクッとしただけ。
大丈夫?
もう大丈夫!
決めるわ!
さーて……
あっちも手伝ってあげちゃおうかしら?
……あら?
ソーーー
ーーウル
パニーッシュ!!!
ふんがぁ〜
兄貴……。
律人か……。
カッコ悪いとこ見せちまったな……。
カッコ悪くなんかなかったよ。
ル、ルウ……。
修の熱い気持ち……。
とっても伝わってきたよ。
やったわ!
さすがね、ソウルパニッシャーズ。
いや、ミナミちゃん。
む!
手出しは不要だったみたいね。
でも、所詮はアイドル。
その程度では私達には勝てないわ。
じゃ、また会いましょう。
次はゲオライトフェスかしら?
とぉ!
あの人もミナミの事を知ってる……。
人気者はツラいのだ!
その楽観的なところが羨ましいぞ。
* * *
……まずい……最下位だ……。
あ、あそこで10位まで上がってきたモー・ブーがやられてる!
締切のバカァァ!!
も〜〜……
ぶ〜〜……
あのライブを完遂させれば、
モー・ブーのランキングまで登れるわ!
10位でも仕方ない。
もらうぞ、このライブ!
ロケ―ッ!
ストリーム!
アターッ!
どーん!
これでなんとか10位はキープだ……。
こうして、
多発的マッドナンバーズの恐怖は
数多のランカーの犠牲のもと、
マッドナンバーズのリーダーの失脚により
幕を閉じた。
* * *
ねぇ、あの娘……、ミナミちゃんのこと見た?
ん?ああ…まぁ。
なかなか美味しそうね。
げっ……。
お嬢、そんな趣味があったのか?
あの娘から出ているゲオライト、そこいらのZeR0やナンバーズのゲオライトとは違うのよ……。
なんていうか……
神々しいゲオライト……。
へぇ……。
面白い所に気づいたもんだな。
あの娘のゲオライトは誰にも渡さない……。私が吸い尽くしてあげるわ。
またお嬢の悪い癖が出てきたな……。
エマ、程々にしてくれよ。
仕方ないでしょ、
大泥棒の遺伝子なんだから。
トップランカーのImage Floatingことイメフロは、半年ほど前に流星のごとく現れ、あっという間にランキングを登りつめた驚異的なグループだ。
その母体はアイドルではなくバンドであり、非常に音楽性の高いライブを行っている。
特にあのエマ・小石川と言う女は注意が必要だ。
大泥棒 石川五右衛門のオリジナルの影響を受けて【ポイント対象ライブ】を奪い続けてきたようだな。
しかし、ゲオライトランカーズのユニットリーダーという事は【ZeR0《ゼロ》】のはずなのに、なぜ偉人遺伝子を持っているんだ……?
……まさか……?