東條 夕日

さて、思考過程は秘密にしておくとして、とりあえず交番にきてみたが

そっと、中を窺う。ぱっと見る限り、見知った顔はいないようだが。

と。椅子に座っている一人の女性に目が行く。

上条警部

ふん。報告は以上だ。なにか質問はあるか?

はい、大丈夫です。わざわざありがとうございます

何かの事件でもあったのだろうか。だが、渋谷の後にこの女刑事の流れは、おそらく正解だろう。

それと、上条警部。もう一つ確認したいことがあるのですが

上条警部

離せ。聞いてやる

何やら取り込み中のようだ。今はいるのはよした方がいいだろう。

東條 夕日

もう少し様子を窺ってみるか

入り口の傍で、身を縮こませて座る。

上条警部

……だ。以上。お前たちはもう気にしなくていいぞ

了解しました。すみません、お時間を頂いてしまって

東條 夕日

お、会話も終わったようだな。ではそろそろ行くか

上条警部に話しかけようと、俺は腰を持ち上げる。

その、一瞬前に。

ちょっとそこのあなた。こそこそと何をしているの?

後ろから、そんな質問を投げ掛けられた。

東條 夕日

何って、少し用があるだけだが

あなた、学生よね? それなのに平日の昼間こんなところにいるなんて…ちょっと来なさい。色々と聞かせてもらうわ

東條 夕日

ちょっと待て。俺は怪しいものじゃ・・・

俺の抵抗もむなしく、腕を引かれて奥に連れていかれる。

東條 夕日

おい、上条警部。お前からも何か説明を

上条警部

それよりあんた、何でこんなところに来たの?

東條 夕日

ああ。メモの指示に従ってきたんだよ

言いながら、俺はメモと地図を渡す。

上条警部

へー。面白いじゃん。じゃあお巡りさん、その怪しい少年をこってり絞ってやってくれ

はい、もちろんです

東條 夕日

お、おい! お前一体何をふざけて・・・

そのまま俺は奥の部屋に連れていかれた。

だから、俺は怪しいものじゃない…

いいですか? 学生というものは…

だーかーらー。違うって…

取り敢えず、学校に連絡を…

あーもー!

東條 夕日

あ~疲れた…

どうやらこの少年は学校行事でここにいただけのようで

上条警部

ああ、知ってる知ってる。そして、正解がここじゃないこともな

東條 夕日

お前、メモの意味が分かったのか!?

上条警部

まあな。どうせこれ支部yの奴が考えたんだろう? だったら簡単だ。こんなの、言葉のパズルだよ。お遊びの一環だ

東條 夕日

本当か!? だったらその答えを教えろ

上条警部

いやいや。それじゃあ渋谷の奴が可哀想じゃないか。ヒントをやろう。上の二文と下の二文を分けて考えろ。そうすると、それぞれから感じがひとつづつ出て来る

東條 夕日

感謝する。もう少し考えてみよう

返してもらったメモを見ながら、俺は再び思考にふける。

霧濃ク成増々深ル
務メテ思フ君ノ姿
芸習ヒテ愈々美シク
草ヲ掻くキ分テ逢ヒニ行ク

* * * * *

こんにちは、ご覧頂きありがとうございます。

久し振りの更新です。皆さん、前回の謎は覚えているでしょうか?

何とか、ストリエが終わるまでに脱出ゲーム編は終わらせたいと思っています。本当はこのあとで、読者vs読者の裁判員制度の事件と、ミス研の過去を遡る凍結Fileの二つがあったのですが・・・

ストリエ内では間に合いそうにありません。なので、続きはコミコで連載しようかなと思っています。現在コミコ内で、使い方になれる為にも、1作品連載しています。

興味があれば、コミコ→ノベル→ベストチャレンジ→ぱりにゃん(作家名)→『君の記憶』(作品名)で見てみて下さい。

ストリエ終了後は、そこで『とあるミス研』も再開したいと思っています。作風が違いますが、それまで『君の記憶』を見てもらえれば嬉しいです。

それでは、今回はこの辺りで失礼します
(*- -)(*_ _)ペコリ

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