ヴィクターJr.

あ、初めての来客だね!
はじめまして

雨季

あら、はじめまして?

雨季

お久しぶりです

ヴィクターJr.

ああ、何かそういうこと知っている関係者?

ヴィクターJr.

でも、吾輩は結構知らないんだ残念ながら

終わりがけになると殆ど思い出すけど

雨季

なら、お教えいたしましょうか。

ヴィクターJr.

後で教えて
先に君の名前を知りたいな!

雨季

あら

雨季

訪ねる時は名前等一切言わないというのが決まりでしたわ?
何かあったのです?

ヴィクターJr.

そういうことが、したくなったから

それが、僕なりのけじめと礼儀。あと懺悔

雨季

失礼いたしました、左様ですか。

では、雨季と申します

ヴィクターJr.

雨季さん……あ、あれ、微妙に聞いたことがある。

雨季

あら、そうなの?

ヴィクターJr.

うん。良く分からないけどね。

そうだ、要件教えて?

雨季

匂宮ってご存知でしょうか

ヴィクターJr.

大丈夫大丈夫、ニオミヤ先生のことは覚えてる

忘れてる場合は、記憶が重傷な時だけ!

雨季

では、前回は重傷だったのでしょう

ヴィクターJr.

前回忘れてたんだ?すっごいなぁ

それにしては、スッキリした最後っぽくて羨ましかった!

ヴィクターJr.

それで、話は?

雨季

貴方は、この世界を許容していますの?

ヴィクターJr.

うっわ、ヘビーなの来たよ!?

雨季

ふざけているの?

ヴィクターJr.

んー。難しい言い方で言いすぎだよ!!
雨季お姉さん、分かり易くお願いします!

雨季

白雪姫を殺して王にならなければ、また繰り返される世界。それでいいの?

ヴィクターJr.

良いよ。その為の命だ。

ヴィクターJr.

吾輩はそういう風に生まれたんだよ
僕自身それに向き合っている吾輩が好き

……答えにならないかな?

雨季

……いいえ。それで良いか、否かの説明にちゃんと沿っているわ

もし、それを拒んでいて、どうにか国を反転出来る人がいるとすれば

ヴィクターJr.

ああ、そこでニオミヤ先生だね!

雨季

分かり易かったかしら。

ヴィクターJr.

結構、僕はニオミヤ先生に暗殺されてるから、何かあるから先生かなって。

ヴィクターJr.

その後、ニオミヤ先生自身も自殺してたのがうっすら見えたから、何がしたかったのか全く分からなかった。

雨季

全く、あの子は……。

ヴィクターJr.

もしかして、お姉さん?

雨季

そうそう、そんな感じ。

ヴィクターJr.

うわあああっ、どうしようっ、何にも用意してないよ。お茶だけじゃいけないよね!?
オリース、何か適当に持ってきて!

オリース

はい。

ヴィクターJr.

た、確かにお茶じゃないけどこれ何!?

オリース

最近、人気のラテアートですよ

ヴィクターJr.

怖いよ!?

オリース

適当に、と言われましたので

ヴィクターJr.

人を恐怖の底に陥らせる適当なんて要らないよ!?

雨季


……貴方、眷属の名前を覚えるようになったのね。

ヴィクターJr.

まだ一人目だけどね。オリースは信用できるって先生が。

雨季

あの子が。

ヴィクターJr.

それで、僕はどうすればいい?
先生は何かしてるの?

雨季

監禁されてる。

ヴィクターJr.

えっ……誰に?

雨季

私に

ヴィクターJr.

え?

雨季

監禁、私に、されてる、の。

ヴィクターJr.

!?!?!?!?!?!?!?

ヴィクターJr.

――――――――――――。

ヴィクターJr.

思ったよりハードなんだね!

雨季

だって、大好きだけれど、だからこそ、変に罪を拗らせて欲しくないのよ。

ヴィクターJr.

それぐらい危ない状態?

雨季

とは言っても、彼女本体を止めておいても意味がないんだけどね

ヴィクターJr.

それにしても、何で僕に話してくれたの?

それぐらいニオミヤ先生が大好きなら、僕の事、殺しても良いんだよ?

ヴィクターJr.

それで、終わりでも今回は良いかなって!

雨季

それも魅力的な相談ではあるけれど。貴方しかいない気がするの。

ヴィクターJr.

僕しか?

雨季

本当に、この世界の秩序通りに生きていきたい人。

ヴィクターJr.

………そうかな。

グレイル

でも、諦めてはいないんだな?

ニオミヤ

私も、そろそろ、繰り返されるからって諦めで逃げたくないの。

僕は。
前回、純粋に。あの二人が幸せなら。
本当にそれでもいいと思ってしまった。




正直、彼女が何かをしたいなら、
前回の僕だったら、手放しで応援した。




それが例え、彼であったとしても
もちろん、全力で彼を応援しただろう。



初めて合った三人なのに
あの2人を、僕はずっと待っていた気がした。

でも、雨季さんもニオミヤ先生を守りたい。
その言葉は絶対に嘘じゃない。

ああ、もう、何が正しいのか分からない。


ニオミヤ先生が、もし悪い事をしているのならば
僕が正すべきなのだろうか。


それとも、前回の彼女がしたように
どれだけ悪い事であっても
彼女の全てを受け止めて、


それでいて、彼女を咎めて
次回へつなげるべきなのだろうか。

ヴィクターJr.

……はぁ。
真面目な話は疲れるね

雨季

こんな世界で、そんな運命で生まれておいて、そんなことを言うの?

ヴィクターJr.

グレイルと、ニオミヤちゃんと過ごした毎日は、真面目っぽくなかったよ!!

雨季

純粋な質問だけど。
さっさと、運命を遂行したいとは思わなくって?

ヴィクターJr.

運命の為に生きているから、結果だけは従う

人に死があるように、この世界も運命という終わりがあることには抗わない

ヴィクターJr.

でも、過程だけは、僕のもの。



楽しく、僕らしく、運命とか全く関係過ごしたい。

雨季

それでもいいわ。

此方の現状を話すから、貴方が考えてくれればそれでいい。

ヴィクターJr.

うん!
その前に、ティータイムだよ!

オリース

そういうと思いまして

ヴィクターJr.

オリース、1日でよく分かるようになったね!?

ヴィクターJr.

あれ、フルーツティーが足りないよ?

オリース

あれは時間がなくて……

ヴィクターJr.

手伝うから……ねっ?


今は席を離れたかった。
もう、今にでも頭がこんがらがりそうだから


色々と、言い換え過ぎた気がする


グレイルくんが言ったら、
絶対詭弁が何だって言われそう。
早く会いたい




過程は自由に?
どこまでが過程なのか、なんて
分かるわけないのによく言うよね、自虐


例え、過程だけは自由だと言っても
きっと、その過程は、彼らに毒されて、
きっと、結果さえも蝕んでいく気がする。



それはいけないことかな
でも、それが僕のしたいことだと思う。



君たちのせいだから、
そろそろ責任取ってもらいたいね!

もう一個、城でも買ってもらおう!

ヴィクターJr.

オリース

オリース

はい

ヴィクターJr.

さっさとニオミヤ先生に会いたい

オリース

はい

ヴィクターJr.

オリースと仲良くなれたんだよ!って言いたい

オリース

はい

ヴィクターJr.

グレイルにも会いたい

オリース

はい

ヴィクターJr.

「妖精なんかいない」って言いまくって、半透明にするって約束したんだ!

オリース

はい

ヴィクターJr.

………っ。

ヴィクターJr.

もうさああああ、訳分かんないよね!!
いきなり、僕の仲間がヤバイ奴だと言われても「そうですか!!ヤバイですね!!」ってしか言えないよね!?

それで、僕にニオミヤ先生を裏切れみたいな事言うんだよ?僕にしか出来ないからって、何これ何これ!!もう、頭パンクしそうだよ!!

オリース

もうパンクしてますよね。

ヴィクターJr.

もうあの人なんなの!?監禁してるのはまだ仕方ないかなって思ったけど、いきなり合って僕に協力!?それぐらい大変なのも分かるし、僕の事を信用してる理由も分からない!

オリース

落ち着け、主様

ヴィクターJr.

は、はい!落ち着きます!
オリース様!!

オリース

落ち着きました?

ヴィクターJr.

ありがとう。
丁寧な人の命令って冷や水みたいだね!

ヴィクターJr.

今からも、独り言。
ごめんね?

ヴィクターJr.

話は聞くけど、絶対にニオミヤ先生だけは全部受け入れたい。

前の僕が、酷かったのに、受け入れて、それでいて、突き放してくれたから。

ヴィクターJr.

だから、雨季さんには悪いけど、きっと賛同したフリだけしようかな!

上手なスパイの仕方は――前回の裏切り者をかき集めて、教えてもらえばいっか♪

オリース

前回の記憶が結構知らないのでは?

ヴィクターJr.

結構ってどれぐらいなんだろうねー?
曖昧って、素敵だよね!!

4歩目…どれが運命なのだろう

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