ヴィクターJr.

……此処は?

お目覚めですか?

ヴィクターJr.

あ、お前はニオミヤ先生が言ってた……

ヴィクターJr.

……じゃなくて、うん。元気。

良かったです。あと、これです。

ヴィクターJr.

え、何これ。

寝言で、「林檎」と呟いていましたので
フルーツティーをご用意いたしました

どうぞ、冷めないうちに

ヴィクターJr.

そっか
気が利くね

ヴィクターJr.

―――――。

ヴィクターJr.

後で飲むよ

……そうですか。

ヴィクターJr.

……変なこと言って良いかな。

どうぞ。

ヴィクターJr.

君は、信じても大丈夫な人?

周りの様子、やはり可笑しいですよね。

……大丈夫です。
何があっても、私達は貴方に尽くしていきます

ヴィクターJr.

ちょっとジャンプしてもらってもいいかな?

はい、このように。

ヴィクターJr.

すごく跳んだね!?

あ、いや、いいけど……。

ヴィクターJr.

仕切り直して、大丈夫。正解だよ

ついでに、これが
不正解の人たちが跳んだ時の結果!

ヴィクターJr.

オンパレード!!

ヴィクターJr.

これのせいで、昨日寝不足で……

まあ、初日だったからいっか

初日?

確かに、昨日から雰囲気が堂々としてきたような気がしますね。

ヴィクターJr.

やった! 分かる?

何か良い事でも御座いましたか?

ヴィクターJr.

真正面から怒ってくれたり、我が儘言ったり、言われたりしたんだ。楽しかったなぁ…。

それは、良かったです

ヴィクターJr.

ねぇ、少しお願いがあるんだ。

何でしょうか。

ヴィクターJr.

僕は眷属か、眷属じゃないかで人を見てしまってるみたいだから、

これからは、眷属も名前とか顔とかちゃんと覚えたいなって。

それぐらいなら、呼んで来ましょうか?

ヴィクターJr.

ああっ、ごめん。それはやめて!

ヴィクターJr.

順序追わないと、大変なことになるから。

かしこまりました。

ヴィクターJr.

ありがとう。

でも、あんまり、かしこまらないでね。

ヴィクターJr.

あと、
お前に話しているのは
「あの人は、大丈夫」って聞いたから。

だから、今話しているのは内密にね!

どなたに?

ヴィクターJr.

まだひみつ。

あ、そうだ、名前は?

オリース

オリース。
オリース・オーヴと申します。

ヴィクターJr.

オリースお姉さんだね!
覚えた!

ヴィクターJr.

何にも見てなかったから、言わせて。

始めまして、オリース

オリース

はい、初めまして

我が小さき主、ヴィクター様

ヴィクターJr.

……流石に、喉乾いたなぁ。

もらうね?

オリース

やはり、毒でも気にしてらっしゃいました?

ヴィクターJr.

うん、ごめんね。

でも今なら美味しく見えるから!

ヴィクターJr.

あれ。一つ足りないよ?

オリース

飲んでも宜しいのですか?

ヴィクターJr.

だって、流石に毒見してもらわないと…ね?

オリース

それなら、カップは一つで十分では?

ヴィクターJr.

それと、ちょっと工作しに行っても良いかな?

オリース

工作……ですか?

ヴィクターJr.

眼鏡を作りたくて!

ヴィクターJr.

こういうの!

オリース

良いですよ。
お茶目な方なのですね、我が主は

ヴィクターJr.

これが世紀の大発明だからね!

オリース

……?

それは、ないと思いますよ?

ヴィクターJr.

思ったより、直球だね!?

1歩目…赤じゃない色を塗り始めた少年

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