じゃあ、行こうか。
はい、仰せのままに。
――待って、くれ……!
あら、ずいぶん遅かったですね。
遅いから、色々あったんだよー!
グレイルも一緒に殺してくれる?
……誰を?
白雪姫を!
あのさ、何が言いたい?
助けを求めるんじゃなかったのか?
うん。
初めは、殺されに行こうと思ったんだけどね!
助けって……殺されることが助けだったのか?
そんな感じ!
でも、逃げてばかりじゃいけないかなって!
待て、どういう思考回路してんだ…!?
全然分からない。
君が教えてくれたことなのに、君は途中から覚えていなくなったね
――それって、
いいよ。もう話さない方がいい
また忘れるのに傷付ける必要はないから
でも、白雪姫倒せば、
もしかしたら、神の怒りは収まるから!
そうですね。恐らく、帰れます。
堕天使様が言うと、何だか白々しいけどね!
……周りの奴らは?
安心して!完全に従順だよ!!
――――。
――え。ちょっと、待って。
さっきの子、あの子は本当に忠誠を――
そんな奴、いなかったよ。
聞いて、聞きなさい。
ごめんね。それは出来ないや。
僕が話をして、仲良くなろうとしたら、これを期にと殺されかけた。まあいつも通りだけど
だから、皆、隷従してもらった。
そう。
確かに、今じゃ、真意が分からないから…そう、よね……。
何? 他に方法でもあった?
その方法を探しているから、これだけの時間が掛かっているんじゃない
やっぱり、ニオミヤちゃんもそういう関係の子だったんだね。
よし!
言い方変えよう、方法は見つかった?
……っ。
ほら。
それに、目の前に出口あるんだよ?
僕だけを捻じ込めば終わる方法が。
でも、穴掘って脱出しようとしているのは、よく分からない。
――穴掘ってるように見えてるなら、ちょっと救いかも。
なんで、そこで、笑うの…?
言わない。
でも、それでいいの?
それしかないってこともあるよ。
なら、オレらが止めるって分かってるのに、どうして倒すことを話したんだ?
それは、
白雪姫、すごく強いから。
あれだけかっこつけといて、「勝てないから助けて!?」
魔王が聞いて飽きれるな!?
お前、ある意味尊敬するよ!!
すごーく、毒気抜かれた。
そっか、そっか。仕方ないなぁ…?
その出口、大外れじゃない、もう。
白雪姫って、ただの女の子じゃないのか?
え? 見た目から完全な化け物よ?
え…、そうなの…?
覚えてないの?
いいいいいや、覚えてるけど……。
きっと、あったことさえないんだ。
――お前ら、繰り返してるくせにどうして、見た目の印象違うんだよ。
白雪姫がっ、女の子だとっ、思うっ、人、手をあげてー。
ほら!
それ、権力乱用って言うのよ。
世の中の多数決は、こうやって出来てるんだよ。
お屋敷育ちが世間語らないの。
妙に穏やかな会話になったな。
こんなに人操られてるのに。
グレイルくんには悪いけど、今回、私はこの子の考えを尊重してあげたいと思って。
本当に? 人間の癖に?
ネコマタだにゃん。
あれ、まだそれやるの。
でも、かわいい!
これ、はじめっからバレてたっぽいよな…?
それなのに、「にゃん」か…。
………。
…………グレイルくん、聖水使う?
良いです良いです。というか、だから言っただろ無理があるって!?
問答無用!
……っ。
地味に頭ぼーってする。
健康上は良いんだろうけどさあ…。
いえ、無理ではなかったですけどね。
フォーリちゃんのせいで、全てややこしいことになってるんだけどな。
それは思う。
あと、白雪姫がレベル500って嘘だよね?
面倒臭いとか嫌いって言ってる時と同じ雰囲気の匂いがしてたから。
さあ
…………。
ミステリアスな堕天使様も良いよね!
…………。
オレが溺死するから、そういう発言もうやめてくれないか!?