はい。お茶。
おー、お茶。
いや、ラテアートが何か怖いんだけど!?
わりと元気になったわね。
さて、作戦会議しよっか。
……ちょっといいか。
で、先に断っておくと、森の影響でかなりイライラしてる。
う、うん。
お前は、どうして吸血鬼と人間が共存できると言ったんだ?
言ったっけ…?
あー、言ってないか?
まあ、それらしい発言はしてるけど
私、ヴィクターのこと師匠って言ったわよね?
言ってたな。
そう。
私は、あの人の弟子だから。
弟子だから?
あの人が作ってしまったものを、放置してはおけなかった。
ヴィクター本人は?
それから、名前もない怪物を開発してから逃げてばっかり。
私はその子も保護してあげたいんだけどね。
ん?
え?
あー、いいや。それと、ニオミヤ。
何?
イラッとすること言っていいか?
え、まあ、うん……。
お前、共存とか言いながら上から目線だろ。
なっ……。
じゃあ、逆か。
共存って言いながら、怪物だと思って怖がっている。
うるさい。仕方ないじゃない。
だって、人間と吸血鬼なんて――
はい、来ました。
人間と吸血鬼なんて? 共存?
出来る? 出来ない?
あっ、違う。そういう意味じゃ…
そんな考え持ってるのに作戦会議…?
――オレ、馬鹿にされてる?
そんなことない!!
ちゃんと、ヴィクターJr.が神の怒りから越えられる未来を考えたい…!
これは、本当。でも、怖いのも、本当。上から目線なのも、ちょっと本当な気もしてきた。
あー、なんか頭こんがらがらせたな。
でも、やっとニオミヤの考え方分かった気がする
悪かった
ううん。こっちこそ、ごめんね。
あのさ、そこで謝るのイラつく
なら、どういえば良かったのよ
そうそう。それぐらいが丁度良い
会議はまた明日で良いか?
今のオレ、森の影響でストレスフルだから黙ってたい
私も、正直、今の貴方の様子にちょっとびっくりしてる。
あー。でも、一つ言っとく。
破綻してるぞー?
はたん?
嘘吐いてるのが、バレてるってこと
あ、でも、たまに素で間違えたり、忘れてるだけな人もいるから、嘘って確定はしてないんだけどさ。
ええと、私、どこかで変な事言ってたみたいね…?
まー、そこは保留でも良いけどなー?
苛立ってるのは、此処。
ヴィクターJr.も、寂しい表情する割に教えてくれないし、オレに頼って良いって合図送っても他頼み。
ニオミヤも、人間特有の「人間が中心」みたいな考え染みついてるし、その割に救いたいとか言う。
本音ついでに言うと、
――口だけのつもりはないけど、口だけ。諦めてる奴の方がまだマシ。一生このままの状態でいれば?
って思ってる。
………っ。
誰もが、貴方みたいに自由なわけじゃないから、仕方ない。
――え?
軟禁状態だった奴の、何処が自由?
軟禁……?
それから、すぐに、
お前らのゴタゴタに巻き込まれて、
また軟禁みたいな事になってるんだけど。
オレは、何でもいいから、早く、抜け出したい。
だから、自分から吹っ掛けた癖に、明日になったら、問題解決に尽力したい。
――そう。ごめんね。
……あー、いや。
けど、確かにオレ、言いたい事、全部言えるから自由だったなー。
何それ。
……でも、一つだけ。
なんだ?
もう口だけとは言わせないんで
とか、宣言しつつも、不安しかないけど
!
分からないけど、死ぬほど嬉しい
あ、そうだ。
お茶、冷めないうちにどうぞ
飲めるかよ!?
本当にこれ誰のセンスだよ!?
ああ、最近バイトに入った
フフフ…
あー………コイツは……
コイツは保護しなくていいんじゃないかなー?