目的地まで走った俺は、到着してゆっくりと息を整える。

東條 夕日

檻の中に閉じ込めるんだから「お◯◯り」。そして中に尻尾を切られた魔物だから、「まもの」から『の』を切り取って「おまもり」。だから、君だ

謎は解けた。だから、俺がいるのは——

やあ先輩。また会ったね

河川敷。朝に出会ったこの少女が、お守りを持っているはずだ。

東條 夕日

お前に頼みがあって来た。今朝見つけたお守り。少しの間だけ俺に貸してくれないか?

やだなあ先輩。言ったでしょう? これは私の大切なお守りだって。そう簡単に渡せるものじゃないんですよ?

東條 夕日

ああ、聞いたさ。だから、そういう設定なんだろう?

設定?

東條 夕日

お前がここにいることを、生徒会長が知っていた。それも、時間までな。そのおかげで遅刻を怒られたんだが。妙なんだよ

何がですか? 私と生徒会長は見知った仲なの。だったら知っててもおかしくはないんじゃない?

東條 夕日

知っててもおかしくはないさ。おかしいのは、知っているのにそのまま放置していることだ。昨日一日一緒にいたが、あいつはしっかり者のようだ。そんなあいつが、こんなところでサボってる一年生を知っていて何もしない訳がないだろう

だったらどうだって言うの?

東條 夕日

あいつの性格からして、お前を今日の運動会にどうしても参加させようとしたはずだ。でも君はここにいる。だったら、答えは一つだ。『俺にお守りを渡す役』。そのために君はここにいて、今朝俺に自分がお守りを持っていることを分からせたんだろう?

流石ミス研のメンバーなだけはありますね。先輩。そう、私は先輩にお守りを渡す役。それを条件に、選手としての参加を免除してもらったの

東條 夕日

そうか、だったらお守りを渡してもらえるな?

いいよ。あげる。それともう一つ。私の秘密を教えてあげるよ

東條 夕日

秘密?

うん。私は十七番目の動物。ここで横になったまま、ひっくり返って寝ころんだままのんびりと過ごす、十七番目の動物。まあ、覚えておいてよ

東條 夕日

そういえば吹奏楽部の部長も同じようなことを言っていたな。ところで、この数字は何だ?

俺はお守りとともに渡された、5という数字の掛かれた紙を見て言う。

さあね。これについては、ミス研の部長から『これをお守りと一緒に渡してくれ』としか言われてないから。詳しいことは知らないよ。ただ、地図に書いておけとは言ってたね。貰ったでしょ? 受付で

確かに、説明とともに実行委員会の人に地図も渡されていた。それを開く。

地図

なるほど。それぞれの地点の欄に、数字を書き込むためであろうスペースが設けられていた。

東條 夕日

それで? 次はどこに向えばいいんだ?

さあ。具体的な場所は知らないけど。ミス研の部長の隣にいた、本を抱えた男の人が、君に伝えてくれって

東條 夕日

聞こう

『いつかの雪辱を晴らしてやろう。私の過ちを正す意味でも、まさにその場所で待つ』だって

東條 夕日

なるほどな。じゃあ俺は行くよ。ありがとうな

いいよ。ばいばい。また今度。どこかで会おう

その場を離れ、俺は次の場所へ向かう。

* * * * *

こんにちは。ご覧頂きありがとうございます。

久し振りに手書きのものを載せてみました。見にくい箇所がありましたら連絡ください。

数日前に誕生日を迎えたのですが、その時に大好きなお寿司をご馳走になりました。ちょっと高いところだったんですけど、一口食べて衝撃を受けました。

美味しいんですっ!!

あの時は天国に昇った気持ちでした。また行きたいです。雑談でした(笑)

それでは、今回はこの辺りで失礼します
(*- -)(*_ _)ペコリ

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