貴方に、私の真実を
お教えします。

これで嫌いになって下さい。




私にだけ見せた貴方の寂しそうだった笑顔は、
皆に見せる優しくて嬉しい笑顔だけに
なってしまいましたね。



私は最低な人間です。


そんな他人の不幸を啜るような人間には
蜜の味が、たまには欲しいんです。


私は、人を守ることが好きです。
自分がカッコイイと酔いしれるからです。

ほら、きっとその延長線上で、
貴方の事が好きになったのです。


守れる私、カッコイイ!!って奴なんですよ私。


だから、貴方は用無しだって思って当然でしょう?

最低最悪な自己中だと思いませんか?




……事実、
もう、カッコイイところ見せられなくなるなら、
平和とか要らないなーとか
若干思ってしまいましたし。

ああ、魔王もっとこないかな。



それに、勇者なんて、
ただ危険なだけな職業ですよ?



魔王倒してから、
魔物の悲痛な叫びが、
毎晩のように聞こえます。


毎晩、殺されかけますし、
殺し返してます。


事実、魔王殺してるのですから
仕方がないのですが。



なので、私はすぐ死んでしまいます。




それと、今、収入全くないです。



魔王がいなくなったことで、
国は平和になってなどおりません。


討ち損じた魔物が街を襲っている今、
私は反逆者のような扱いを受けております。





ええ、これは言い訳ですが

『魔物だって生きている。
どうして殺すのですか!?
彼らとは共存できる!』
と囲まれて怒られたからです。




それからは子ども等、抵抗できない者、
攻撃してこない者は
攻撃対象から、つい外してしまいました。



しかし、その人は、その事を覚えておらず
魔物に襲われている現状に、
腹を立てて
お尋ね者となった私を
探すのに血眼になっておりました。




生憎、魔王を倒した勇者は
魔王になることが出来る程の力も
持ち合わせておりますし


……また、貴方に会いたいな、
だなんて思ってしまいますので











































魔王にでもなろうかと。




















ちゃんと、次は魔物も殺してから来てくださいね?

誠に勝手ながら、魔王の倒したのは
、私一人にさせて頂きました。



その際、旅の仲間は途中で別れた、
もしくは戦死のような扱いにしてあります。

――そして、あとは、私が貴方を嫌いになって
貴方が、私を嫌いになってしまえば、
全てが上手くいく。

また会いましょう。



――また貴方に会える。
貴方と死を共にできる。



そう思えば、
私はどの様な事も受け入れてみせますので。


貴方を守れて、貴方と共に戦えて、
貴方に支えて頂けて
私は、本当に幸せでした。

勇者の恋愛、そして遺言

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