私、桐子が好きだ

なんとなくの帰り道、私は突然瑞希に告白された。その場に詩音はいなかった。詩音はたまたま用事があるとかなんとかでいなかったと思う。
どうしてそんな流れになったのか覚えてない。
いつも通りの穏やかな会話の流れの結末だった。

ど、どうしたの?いきなり…

なんか言いたくなってね。詩音には内緒だよ

内緒ってどういうことよ

話を聞いてみる。瑞希は私だけではなく、詩音も好きだということらしい。
普段はそんなことを言わない。気持ちを伝える前よりも仲良しだからだ。
私たち3人の間には好きという言葉より気持ちが先に流れていた。だから、好きって言う必要なんてあるかないかという曖昧な境界線の上にある。

詩音も好きだし、桐子も好きなんだけど、せっかくだから告白大会でもしようかなって思って

なんて恥ずかしいことをするんだ、君は

だって、好きなんだもん

理由になってないよ

いいじゃん。たまには桐子と詩音にプレゼントをしたいのさ

大好きっていう言葉を最高の形で贈りたい。
瑞希と話をしたのがそれが最後だった。

夢かよ

そう、これは夢だ。瑞希は死んでいる。生きてない。
死んでしまったのだ。
桐子は嫌な現実を見てしまったと、再び眠りについた。

高校生になって、変わったこと。
今までとは違うことがある。
中学時代は瑞希と詩音の二人だけでなんとかやっていけた。けど、今は二人以上の知り合いができた。
だから、桐子は少し疲れていた。

あー、疲れた

予期してない出来事、そして昨日は自分の心の中のことを話してしまい、自分らしくないことをして疲れた。
人間なんて怖くて信用できない。私は人の醜さを知っている。信用できる人を自分が把握できる数の内だけにして、あとは当たり障りなく接すればいい。
そう思っていた。

昼休み、桐子は忍と詩音に少し外に出ると言って屋上に出る。
高いところから見る街並みは美しい。息苦しいと思うときは高いところに行って下の世界を見る。
あの中に私は生きている。喜びも悲しみも生まれるこの世界で生きている。そういうことを考えながら桐子はぼーっとしていた。

きーちゃん?

あ…

一人で過ごそうとしていたところに潤がやってきた。
潤もここで過ごすのだろうか。
桐子は慌てて立ち上がるが、潤に座ってていいよと言われた。

珍しいね、サボリかい?

さ、サボリ?

あれ、違うの?

今、何時ですか

もう、午後の授業は始まっていた。サボるつもりなんてなかったのに、どうして今日は何かとついていないのだろう。

こんなに授業サボって大丈夫なのかな。最悪だ

もし、大変なことがあるなら私に頼りなさい

その時はお願いします

と本音でもないただの返事をして桐子は外を見てぼーっとした。
潤も隣で静かに過ごした。

木原 悠月

潤に、きーちゃん?

あれから何も話すことなく、ついに放課後になってしまった。
悠月先輩が放課後になったのでお茶をしたいとここに来た。
桐子も誘われたが断った。

すいません。勉強があるので帰ります

彼らに会ってからやってなかった見回りを再開しなければならない。
夕方にはサボった分の勉強を済ませて、そして夜に殺人鬼さんのメッセージを探しに行こう。

木原 悠月

きーちゃんのことなんだけど…

悠月は潤に桐子のことについて話始めた。

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