あー、もういやだー。
鏡くん知ってたでしょー

僕、狩人さんすっごく大好きだったーって!
あとついでに王子!

は?
ツンデレも、デレがないと、ただの冷徹非道な奴にしか見えませんでしたが。

え?
あんなにも大好きだったのに…。

「僕の我が儘どうして聞いてくれないのー?」
……とか大量に無茶振りしてましたよね?

甘えてたつもりだったんだよ。

なのに、なんであんなにコロッと堕ちたかなぁ。

「いくら、美しい貴方の命令であれど、私は白雪姫だけは殺すことが出来ない」

だってさー。

……あははっ、笑っちゃうよねー?

白雪ちゃんは、確かに可愛い。

けど、ちょーっと周りに異常なぐらい好かれてるよねー。

嫉妬?
ああ、うん。
そうだね。嫉妬だよ。

あー醜いなー、僕―

林檎食べてもらったのに、
なんか逆効果だったていうか、
僕孤立してるっていうかー

というか、処刑って何日なのー?

生殺し過ぎて笑えるんだけど……!

ねぇ、鏡。
一人で話してるみたいだから何か話して。

貴方は不細工でした。

おい

ですが、魔女になってまで、アンチエイジングして努力してたことは知ってますから。

何? 褒めてんの?貶してんの?

貶してます。

そ。最期ぐらい、褒めてよね。

宇宙一可愛いよお妃ちゃん。

は? 馬鹿にしてる?

馬鹿にしてます。

でも、敬愛してます。

あっそ。
好きにすれば?

では、避難経路ですが――

は? 逃げるの?

無理だから
あの白雪姫から逃げるとか無理だから。

何でですか。
本人は弱いじゃないですか。

取り巻き強すぎだからね!?

勝てる訳ないじゃん

ご安心を。逃げるだけですから。

どうせ、捕まる。

ええ。普通なら、ね。

ただ、眼の前にあるのは鏡です。

そうだね、お前だね。
で?

ちょっと私の中に指を入れてくれやしませんか?

いや、入らないから。

柔らかくしておきましたので

ちょっと、なんか、入れるだの、柔らかくしておくだの……って、うわあああ!?

何だこれ、身体が通り抜けれる!?

お妃さま、鏡の国ってご存知ですか?

ああ、変な夢想家が探索したとか言ってたねー。

……え? これ?

それです。さあ、早く。

仕方ない、ありがとう。



……でも、やーめた。

はぁああああ!?
馬鹿ですか、自分から死ぬんですかアンタ!?
頭可笑しくなったんですか!?
こちとら身を張ってるんですからね!?

お前、落ち着けよ。
テンパり過ぎ

はっ……失礼しました。

ですが、どうしてですか?

お前だけ置いていくのは卑怯じゃん。

卑怯な手段を使っていた貴方が何を言うんですか。

ううううるさいなあ、もう!

卑怯な手段なんか皆使ったことあるし、情ぐらい皆あるよ。

それにさ、キミだけは、僕を見捨てなかった。


僕は、最後の下僕、置いて行きたくないなー。

我が儘ですね。

ほら、よその国ではお妃さま出来ないでしょ?

命令できなくなっちゃう♪

全く我が儘ですね。

良いでしょう。
貴方の最期を、私に見せてください。
そして、延々と語らせてください。

個人的には、
心の底から、貴方が一番、綺麗だと思ってますよ。

遺言みたいにカッコイイ事言うのやめてくれない?鏡のくせに。

まあ、アンチエイジングとか化粧とかそういう人工的なものですが。

え?

あと数時間かもしれないけど、
すっごく扱き使うからよろしくー。

余計なこと言うんじゃなかった。

Side Story…お妃さまと鏡さん

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