とりあえず、
此処で吸血鬼がどういう扱いなのか知りたい。
そうですね。
え?
吸血鬼?
そんなのゴロゴロいるよ?
ごろごろ?
うん。
人間よりも、吸血鬼の方が多め?
あ、でも、吸血鬼狩人がいるから、
いつもサクッと処理される感じかなー?
私達でも、
十字架あれば簡単に処理できるし
……あれ、時間軸とか国とか間違えた?
合っております。
じゃあ、何であんなに人間の方が
アッサリ殺されてた…?
さあ。
だよな。
あ。吸血鬼が出たー。
倒せー!
フフフ…。
ほー
何かアイツ、凄く強そうな吸血鬼だなー
――アイツってドイツ?
ああ!吾輩はルーマニア人だよ!
うぐ……
何だと!?
弱いなアイツ!
フフフ…例えオレが死んでも第二、第三のオレが……。
弱いの集まっても
弱いだけなんだよコレが。
いいえ。
1ポンドを笑う者は
1ポンドに銃殺されます
そーだな。
軽率なこと、言った
……って。
何で、蚊に話しかけられてんの。
蚊?
違うよ、
れっきとした吸血鬼だよ。
あ? 吸血鬼は、あっち、だろ?
さらば……だ…!!
ああ、あれ。
うん、あれは…変態だよ…。
吸血鬼じゃないのか?
いや、吸血鬼だけど
一緒にされたくないんだよ。
あんな低俗。
僕の場合は、
パパとママが拾って来た眷属で、
ちゃんと血吸ってるし。
あはは、
ヴィクターJr.は高貴だから
働けよ。
学校通ってるよ!
聞いて良いですか。
わあああ!
堕天使様だ!すごい!
分かるものなんだな。
僕らは、匂いで大体分かるよ。
君は、聖者被れ…?
妖精…?
混ざり過ぎてて気持ち悪い
うう…鼻が曲がる…
いやいやいや。
純血な人間。
周りが変なのばかりだし、
血約とかで可笑しくなってるだけ
いや、人間なわけないよね
え?
ううん。
君が嘘を吐いてるとは
思ってないからいいや
ああ!
眷属ってこと?
吾輩、人間は好きだけど、眷属は嫌いだなぁ?
主人―!
主人の方だからー。
あ!そうなの?
なら、いいや。
どうして、眷属は嫌いなのですか。
吸血鬼と仲良くしないから
怖い、殺さないでってしか言わないから
たまーに、
殺されるフリしてあげても、
一人二人こっそり逃がしてあげても、
人間のフリして仲良くなってから、
事実を言ったとしても、
怖い、怖い、怖い……そればっかり。
フリなのか?
あ、でも、たまに、
逃がし過ぎて本当に殺されかける。
馬鹿ですか。
その時はどうするんだ?
だって、眷属だよ?
殺すのなんて一発。
……なんで、あんなに弱いの。
――そういうことか。
あと、旅の人?
なら、もうすぐ神の怒りが
起るから逃げた方が良いよー?
神の怒り?
うん。地面が割れて、世界が動く。
地震か。
ああ、人間はそういう言い方もするね。
なあ、眷属以外の人間の事は
知ってるか?
それとも眷属の人間ばっかり
見てるのか。
眷属以外知らない。
パパとママは、
あんまり外に出るなって
言うから。
――でも、海外出張に行ってから
帰って来なくなってきちゃって
……堕天使様、知らない?
自分で探しなさい。
知ってるの!?
教えたらつまらないので、探しなさい。
オレには、教えてくれない?
簡単で残酷な答えが正解です。
ほー
殺されたかー
あくまで推測ですが
もう吸血鬼の時代は終わったーって感じかな。
ええ。
貴族のような吸血鬼は、彼で最期です。
とりあえずは
とりあえず?
――そうですね。
例えば、「怪物のご希望」に
答えてあげるのも、彼、満足しますよね?
吸血鬼を作れってこと?
それぐらい作れなくもないでしょう
まー、そうだけどさー
吸血鬼の名前、
ヴィクターJr.だから、
フランケンシュタインに
かけたんだろ?
悪趣味だなー?
あら。分かりましたか。
だが、
その話の結末で、父親が選んだ答えは――
そうですね。
――もう、彼のような存在を作る事は許されてはならない
彼の為に。
確か、そんな感じだったよな?
あら、酔狂の一つも言わないとは
せっかくだから、
第二の人生、
まっすぐ生きてみようかと
……少し、浸食が足りなかったようで
どうしたー?
私なら、面白いから増えても良い
と思いますけど。吸血鬼。
増えたら、また、同じ悲しみを背負うのが
増えるだけだろ?
ソウデスネー
で。
結局、ソイツは探す予定ですか?
あ。忘れてた。