あの……

俺は目の前の少女に声をかける。
そういえば名前を聞いて無かった

レーナよ。

レーナさん?
俺たちはどこに向かってるんでしょうか?

レーナ

もうすぐ着くんで……

浩也

どんなところなんだろうね?

相変わらず能天気な浩也を横目で見ながら歩みを進める。

俺たちはレーナの後に続いて薄暗い階段を歩いていた。
もちろんこれから行く場所の説明は受けていない。

不安に思いながら歩いていると、前を歩いていたレーナの足が止まった。

レーナ

この先が目的地です。

そういって彼女は扉を開けた

浩也

なんだこれ……

なんかすげぇとこにでたな。

目の前にあったのは古びた洋館の一室だった。
その場所ではレーナと同じようにフードを深くかぶった人たちがいた

ここはなんですか?

レーナ

ここはキャメロット城

浩也

キャメロット城って!
あの円卓の騎士で有名な!?

レーナ

……キャメロット城をモデルにしてるだけです

なんともがっかりな回答が帰ってきた。

しかし、そんなことを気にしているような状況じゃない。
あたりの雰囲気が異様過ぎる。

ここは何をする場所なんでしょうか?
ただ集まっているだけにしては雰囲気が重すぎませんか?

レーナ。よく戻ったな

レーナへの質問を遮るように老人が入ってきた。
どうもこの中で一番偉い人らしい

レーナ

ただいま戻りました。
約束通り2人を連れてきました。

ガウェイン

私はここの教団のトップのガウェインじゃ

堀川悠です

浩也

山鹿浩也です

訳も分からず挨拶をする。
見た目はすごく優しそうだが、オーラにとてつもない威圧感を感じた。

ガウェイン

さて、役者もそろったことだ。最後の打ち合わせをしようじゃないか

待ってください……
俺たち何も聞いて無いんですけど

ガウェイン

なんだレーナ、説明してなかったのか?

レーナ

ガウェイン様が説明するほうが早いと思ったので……

レーナが淡々と話す。
めんどくさかっただけじゃないのか?と思わなくもないが、本意は分からない

ガウェイン

そうか……だったら私から正式に依頼しよう

ん?

浩也

ん?

ガウェイン

我らと一緒に、魔王を倒してほしいのだ!

ガウェインが老人とは思えない声量で言った。
俺たちは言葉を発することができずに立ち尽くしていた。

一つは声の大きさと威圧感
そしてもう一つは
その圧倒的によくわからない依頼内容に頭が追いついていなかったからだ

レーナ

ということで、よろしくお願いしますね。悠さん。浩也さん。

いや

よろしくできねぇよそんなもん……

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