PRO-10の「PRO」はPrototype(プロトタイプ)の「PRO」、
そして抵抗を意味するProtestantの「PRO」
ジーニー!!
……はい?
今、なんて?
ちょっと待て。
ちょっと、お兄さん?
PRO-10って
え
もしかして
もしかして?
あんたね! こともあろうに他人の飼い猫を改造するとかなに考えてるのよ!!
怪奇!
マッドサイエンティストは
身近にいた!!
なんて見出しが
あたしの頭の中で躍った。
なに?
「PRO-10」は
ジーニーのことじゃなくて
王女やリオルが
奪い返そうとしているのも
ジーニーってわけじゃなくて
ジーニーが
人間じゃないかもって
思ったのは
本当にただの間違いで
それどころか
あたしの可愛いクロが
「PRO-10」で
で、その「PRO-10」とやらは
考え、動き、ものを食べる、まるで生き物みたいな機械
だと
この男は言っていて
でもクロは
生身の普通のネコだったはずで
と、言うことは。
にゃ
この男がクロに
なにかしたのは間違いないわけで!
あたしの中でなにかが切れた。
許さん! そこへなおれ。
クロの無念はあたしが晴らす!!
貴様らまとめてバッタ怪人に改造してくれるわ!!
当事者(クロ)の同意は得たのか!?
得てないだろう!?
いたいけな子猫を
無理矢理改造するとか
その罪、万死に値する!!
バッタに
なってしまえー!!
わあ! おちついて!!
アリスの腕じゃ、ミンチ作っておしまいだから!
だったらまとめてハンバーグにしてやるまでのことよ!!
ハンバーグに
なってしまえー!!
ああ、聞こえる。
クロの恨みの声が
う~~~~~
う~~~~~
って
う~~~~~~~
う~~~~~~~
なんの声?
呪いだ!!
呪いの声だ!!
軍人のひとりが叫んだ。
改造に失敗して闇に葬り去られたカツオや
ヒトデや
サメの恨みの声が――!!
なんで海産物ばっかり……
違う。
これはポットの音だ。
箒と一緒にあたしが落とした
ジーニーのトンデモ発明の……
説明しようっ!
このポットはお湯を入れると
地獄の底から響き渡る
断末魔の悲鳴の如き唸り声を
延々と上げ続けるのだ!